講演情報
[86]ダイアリー調査にもとづくフレキシブルオフィス利用パターンの時空間分析
○松井 研人1、本間 健太郎2 (1. 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻、2. 東京大学生産技術研究所)
キーワード:
フレキシブルオフィス、テレワーク、通勤行動、ダイアリー調査、時空間カーネル密度
本稿では、東京圏在住の約10.4万人の有職者を対象に、フレキシブルオフィス利用者を抽出するスクリーニング調査と、その通過者へのダイアリー調査を行った。調査回答者の一連の行動(空間・時間情報)から、 (ⅰ)フレキシブルオフィスを日常的に利用している可能性の高い利用者は、東京圏在住の有職者のなかで、わずか0.25%と少数派であることを示した。 (ⅱ)この利用者によるフレキシブルオフィス利用の82.3%が、一日のなかで他の勤務場所と組み合わせた利用であり、その利用方法は多様であることを示した。 (ⅲ)多様なフレキシブルオフィス利用を4パターン(直行直帰型:30.4%、ノマド型:15.9%、メイン勤務先併用型:31.4%、タッチダウン型:22.3%)に分類し、それぞれの空間・時間的分布の集中傾向を示した。これらは、今後のフレキシブルオフィスの設計計画や企画の手がかりとなる有用な知見だと考える。