講演情報

[88]部分復旧が想定される中での緊急時配送計画について

○塩野 直志1、小沢 裕治2、橋冨 彰吾2、富田 孝史2 (1. 神奈川工科大学情報学部、2. 東海国立大学機構 名古屋大学 減災連携研究センター)
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キーワード:

緊急時配送、シナリオプランニング、施設配置ヒューリスティク

本研究では,地域ごとの復旧見通しが不確実な中で直近の緊急時配送計画を策定する方法に関して提案を行う.対象領域を二つに分け,各領域の需要家が配送を必要としている確率をシナリオごとに設け,期限内にすべての配送が完了する前提のもと,総移動距離の期待値が最小となるような直近の配送計画を求めた.得られた特徴として,(1)基地と需要家を往復する配送の場合,復旧の見通しが立たない場合には移動距離が小さい順,見通しが想定出来る場合は移動距離と復旧確率の積が小さい順に需要家を選択すれば良い,(2)基地から需要家を周回する配送の場合,基地から近い領域で配送を必要とする確率が高いと想定される場合,ないしは復旧見通しが立たない場合には,主に基地から近い需要家を選択し周回すれば良い.一方,基地から遠い領域で明らかに配送を必要とする確率が高い場合は基地から遠い需要家を選択して配送すれば良いことがわかった.加えて,本研究では,配送事業者が自ら所有するデータで配送計画が可能となるよう,配送計画問題として定式化を行った後に,需要家200件超,配送車18台でも適用可能な施設配置ヒューリスティクスを解法として提案した.