講演情報

[93]名古屋圏における人口減少と住宅資産価格の関係性我が国における三大都市圏での比較

○岡澤 由季1、宇都 正哲1 (1. 東京都市大学)
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キーワード:

名古屋圏、人口減少、住宅資産価値、三大都市圏

本研究では名古屋圏(愛知県・岐阜県)における各自治体別の住宅資産価値(HAV)を推計し、東京首都圏・関西圏と比較することにより、名古屋圏での人口減少とHAVの関係性を明らかにすることを目的とした。将来のHAVを人口増減・都市規模・地価から推計した結果、名古屋圏全体でHAVは約62兆円(2020年)から約38兆円(2045年)まで減少した。名古屋市内はHAVが上昇している行政区も見られたが、周辺自治体では人口減少の影響から大幅にHAVが減少した。世帯当たりHAVについて2018年と2045年の差を自治体別に確認すると、平均値は約400万円の減少、最大値は約180万円増加(名古屋市南区)、最小値は約1,100万円も減少(日進市)していた。名古屋市全体で世帯当たりHAVは2045年であっても約1,500万円程度を維持し、特に車で名古屋駅に近いエリアでは上昇していた。名古屋圏で人口減少が急激に進むものの、人口減少が緩やかな名古屋市はHAVが底堅く、世帯当たりHAVの減少も限定的だった。この結果から、名古屋圏が名古屋市を中心とした、車社会による一極集中型の構造であることを明らかにした。一方で、名古屋市のベッドタウンの自治体では世帯当たりHAVの減少が著しく、この傾向は三大都市圏と同様であった。