講演情報
[97]我が国の地方都市における居住と都市サービス施設の近接性の成立状況と立地適正化計画の効果についての研究新潟市の事例
○佐藤 真希1、松行 美帆子2 (1. 建設技術研究所、2. 横浜国立大学)
キーワード:
都市サービス施設、近接性、立地適正化計画、x-minute city、新潟市
x-minute cityとコンパクトシティという2つの概念は、居住と都市サービス施設の近接性という点で類似しているが、x-minute cityは都市サービス施設の立地する範囲を拡大しようとし、コンパクトシティは縮小しようとしている点で真逆である。我が国のコンパクトシティ政策により、x-minute cityが目指しているような、都市の持続可能性と多元的な側面から生活の質の向上が実現するような都市をつくることができるのであろうか。この疑問に答えるために、新潟市を対象として居住と都市サービス施設の近接性が、わが国において、現在および将来の人口減少時、そして立地適正化計画適応後にどれだけ達成されるのかを明らかにすることを目的として研究を行った。分析の結果、新潟市においては、現在7割ほどの人口がx minute cityで必要とされる施設のうち、徒歩15分でアクセスでき、比較的高い割合で居住と都市サービス施設の近接性が成立していることが分かった。しかしながら、文化施設やスポーツ施設などの生活の質を上げる施設へアクセスできる人口は非常に少ない。将来においては、施設の7割に徒歩15分でアクセスできる人口の割合は減少するが、居住の誘導によりその人口の割合は上昇するが、効果の少ない施設もあることが分かった。