講演情報

[102]民間都市開発で整備された地下通路のマスタープランにおける位置づけと実際の整備状況に関する研究

○村上 清徳1、中村 英夫2、大沢 昌玄2、菊池 雅彦3 (1. 東京都、2. 日本大学、3. 元国土交通省)
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キーワード:

地下通路、ガイドプラン、都市計画マスタープラン

民間事業者が都市開発を通じて整備した公共的な地下通路について、主要都市を対象にまちづくり計画での位置づけや整備促進策の制定状況、実際の地下通路の整備状況を調査し、次のことが明らかとなった。(1) 地下利用のガイドプランが4都市で策定され、内容は公的主体が整備する地下空間整備の方針と民間が整備する地下空間の利用計画であった。民間整備の内容は規制的であり、関係者の理解を得るのが困難と判断されたため、公表には至らなかったと推察される。(2) ガイドプランに代わり都市計画法の「都市計画マスタープラン」及び任意の「行政計画」のなかで地下通行施設が計画された。駅周辺や業務商業の集積地区を対象に都市開発により地下通行施設を整備する方向性を示している。民間事業者への整備促進策は4都市で制定され、地下街等との接続やバリアフリー化などを条件として容積緩和を可能とする内容である。 (3) 民間事業者が整備管理する地下通路は5都市で64施設が確認され、商業施設の接続は共通し、供用年次は1960~1990年と2000年以降に大分される。自治体側の課題として、地下利用の全体計画がないこと、担当部局間での調整が煩雑であることが挙げられた。