講演情報
[112]アメリカの雨水管理法制による開発行為等への雨水流出抑制の義務づけグリーンインフラの促進と気候変動への適応を視野に
○釼持 麻衣1 (1. 関東学院大学)
キーワード:
雨水流出管理、開発行為、流域治水、グリーンインフラ、気候変動
流域治水の実現に向けて、建築・開発行為における雨水流出抑制策の実施を義務づける法制度のあり方を検討するにあたり、本研究はアメリカの雨水管理法制に着目し、その全体像と雨水管理条例の特徴を明らかにすることを目的とする。開発行為等にかかる雨水管理法制として中心的な役割を果たしているのが、水質浄化法に基づくNPDESの雨水プログラムであり、自治体分流式雨水排水システムを設置管理する自治体には、建設後基準を含んだ雨水管理プログラムの策定が求められる。自治体は雨水管理プログラムの一環で雨水管理条例を制定し、一定規模以上の開発行為等につき、雨水管理計画の策定やグリーンインフラを含む雨水流出抑制策の導入を義務づけてきた。また、建築許可・開発許可制度とのリンクや維持管理に関する協定の締結、気候変動の影響を意識した想定降水量の設定といった点も特徴的である。