講演情報
[116]社会変化に対応した市町村都市計画マスタープラン策定の方向性に関する研究町田市「都市づくりのマスタープラン」の事例分析を通じて
○今場 雅規1、似内 遼一1、真鍋 陸太郎1、村山 顕人1 (1. 東京大学大学院工学系研究科)
キーワード:
都市基本計画、市町村の都市計画に関する基本的な方針、分野の統合、都市計画法、計画文書、町田市
都市空間に対する要請が複雑化する中、都市基本計画のあり方や役割を考え直す必要がある。米国由来の都市基本計画概念は、その包括性に特徴がある一方で、わが国の市町村MPは対象とする領域や実現手段が限定的である。新たな社会変化に対応した市町村MPとして町田市の取組を取り上げ、その意義を整理するとともに、成立した要因や、もたらした変化を考察した。意義としては、今後のマスタープランの方向性として研究者サイドから挙げられる「主体の多様化」「領域・分野の横断」「柔軟性の確保」への対応が見られた。取組の成立要因として、町田市だからこそ成立した要因も少なくないが、学識者との早期対話や機動的な検討体制の構築、臨機応変な検討フローなど、自治体の創意工夫による要因も見られた。またこれらの結果、市町村MPの新しい形が提示されたほか、省力化など行政としての短期的目標も達成された。本取組を通じて得られた知見は広く共有されるとともに、同規模のチャレンジには各市町村で取り組まれるべきであろう。