講演情報

[133]復興まちづくり訓練手法を援用した住民主体の水害防災まちづくりに関する検討

○松岡 あやめ1、梅本 通孝2 (1. 筑波大学システム情報工学研究群、2. 筑波大学システム情報系)
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キーワード:

事前復興まちづくり、復興まちづくり訓練、水害防災まちづくり

豪雨災害の激化に伴い, 復興段階における課題が顕在化している. 復興に焦点を当てた事前防災対策の一つとしては住民参加型のWSにより復興後の地域の将来像を検討する「復興まちづくり訓練」が展開されているが, 現在は主に地震・津波を想定した議論に留まっている.
そこで本研究では, 復興まちづくり訓練の水害防災まちづくりへの応用に向けた検討を目的に, 対象地域の豪雨災害に対する取り組みや認識の実態を把握するための文献調査, 事例調査, 及びヒアリング調査を実施した.
その結果, 応用の際の意義・利点につながる知見が得られた一方で, 応用の阻害要因となるようなハードルも存在することが分かった. 結果を踏まえ, 対象地域において従来の地震・津波に対する復興まちづくり訓練の適用は必ずしも有効的でなく, 豪雨災害の復興まちづくりに対する事前検討を可能にするWSの展開に向けた, 既存の訓練からの変更が必要であるとの考察に至った. 具体的な変更点として(1)防災・減災まちづくりに対する議論を踏まえた事前復興まちづくりへの展開, (2)個別的かつ具体的な被害想定の共有, (3)既存の河川に対する取り組みへの防災視点の追加, の3点が必要であると考えられる.