講演情報
[150]複数の意思決定主体者による会食場所選択のモデル化
○岡村 幸樹1、大山 雄己2、力石 真3、髙見 淳史1、パラディ ジアンカルロス1 (1. 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻、2. 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻、3. 広島大学大学院先進理工系科学研究科)
キーワード:
目的地選択、集団活動、社会的ネットワーク、余暇活動
近年、交通分野において社会的ネットワークの重要性や余暇活動との関連性が認識されつつあるが、集団の目的地選択に焦点を当てた研究は少ない。本研究では、時空間制約やグループ全員の選好、意思決定過程を観測した新しい調査データセットを用いて、集団の会食場所選択をモデル化した。その結果、集団レベルの移動抵抗と集計選好を組み込んだモデルは、予測能力の点で個人レベルのモデルを明らかに上回った。効果量については、MNLの直接弾力性推定により、店舗から自宅までの移動時間(直接弾力性:-0.941)とその標準偏差(-0.599)は選択確率に対し負の効果を示したが、店舗までの移動時間の標準偏差は正の効果(1.09)を示した。また、グループメンバー間の個人の選好の一致度合いも選択に強い影響を与えた(0.35)。この結果は、グループレベルの属性を集団目的地選択モデルに組み込む必要性を示している。