講演情報
[151]BLE観測の不確実性を考慮した屋内3次元経路選択モデルの推定
○松永 隆宏1、羽藤 英二1 (1. 東京大学大学院)
キーワード:
3次元経路選択、BLE、観測不確実性、屋内位置同定、多様体、量子化
本研究は,駅構内における空間設計や人流制御などへの応用を念頭に,GPSを始めとする従来手法では観測が難しかった屋内を含むミクロな3次元都市空間における歩行者の経路選択行動をBluetooth Low Energy(BLE)によって観測およびモデル化する手法を構築するものである.電波強度が不安定なBLE観測の特徴を考慮し,通過リンクを一意に特定せず複数の真の状態を想定しこれらを確率的に扱う量子化の概念を導入した上で,推定バイアスの除去のため観測多様体を考慮しモデル多様体との間でemアルゴリズムによる繰り返し推定を行うことで,バイアスを軽減したパラメータの推定手法を構築した.数値実験により本手法は従来法と比較してパラメータ推定精度が大きく改善することを確認した.またケーススタディとしてJR渋谷駅でのBLE観測データをもとに駅構内利用者の3次元経路選択モデルを推定し,内生性を考慮した混雑外部性の検証では混雑がさらなる混雑を誘因する可能性が明らかとなった.