講演情報
[152]区分線形近似モデルを用いた公共交通需要の変動分析
○細江 美欧1、桑野 将司1、宮崎 耕輔2 (1. 鳥取大学、2. 香川高等専門学校)
キーワード:
区分線形近似モデル、構造変化、需要変動、交通系ICカードデータ
新型コロナウイルス感染症の拡大による人々の行動変容が公共交通需要に与えた影響について現状把握を行い,公共交通施策を検討することは重要である.本研究では新型コロナウイルス感染症の影響が強かった期間を含む2016年4月1日から2023年6月30日までに,香川県の地方私鉄「ことでん」を対象に利用された交通系ICカード「IruCa」の利用履歴データを用いて,ことでんに対する需要の変動を把握することを目的とする.ここで,IruCaの日別総利用数の推移を需要の変動とみなし,変動の増減傾向をトレンドと呼ぶこととする.このトレンドとトレンドが変化する時点を抽出することによって,ことでんの長期的な需要変動を把握する.分析の結果,ことでん全体と駅ごとのトレンドおよびトレンドが変化した時点から,新型コロナウイルス感染症の影響によって,どのように需要が変動したのかを明らかにした.また,トレンドが類似する駅をクラスタリングし,各クラスに属する駅の空間的分布と駅周辺の環境から,どのような乗客行動による需要が新型コロナウイルス感染症の拡大によってどのように変化したのかを推察した.