APPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)

座長：横山 詩子（東京医科大学　細胞生理学分野）、吉岡 和晃（金沢大学　医薬保健研究域医学系　血管分子生理学分野）

大動脈は、心臓から直接分岐する人体最大の血管であり、血液循環の本幹となる組織である。超高齢化社会を迎える我が国において、近年増加する致死的な大動脈疾患(大動脈瘤・解離)の予防・早期発見・治療法の確立は重要課題である。しかしながら、これらの大動脈疾患の発症原因や病態生理機構はいまだ解明の余地が残されている。近年、高解像度イメージング技術や多層的オミックス解析法の発展により、これまで不明であった大動脈疾患の発症原因や病態生理機構が次第に明らかになりつつある。本シンポジウムでは、血管生理、イオンチャネル、循環器内科、食品科学分野の専門家が一堂に会し、主に大動脈疾患の分子・細胞レベルの病態生理を斬新な視点から解き明かそうとしている研究者に講演していただき、革新的な研究成果を報告する。さらに、大動脈組織の細胞間相互作用を介した恒常性維持機構に関する最新の知見を共有し、大動脈疾患の細胞・分子レベルの機序を多角的に探ることで、本疾患の克服につながる今後の展望について議論する。