APPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)

座長：内ヶ島 基政（新潟大学 脳研究所 細胞病態学）、古田 貴寛（大阪大学 大学院歯学研究科 系統・神経解剖学）

私達の認知や行動の基盤となる中枢神経系は、多様なニューロンとグリア細胞で構成され、ナノスケールのシナプスを介したマクロスケールの神経回路ネットワーク構造を形成します。故に、このような多様性と重層性を兼ね備えた構造の複雑さは、他臓器疾患に比べて、中枢神経系疾患の理解を妨げる一因になってきました。しかし、近年の最新技術を含んだ多角的な形態学的アプローチが病態解明に向けた突破口を開きつつあります。本シンポジウムでは、超解像顕微鏡からMRIに及ぶ先端的かつ緻密な形態解析技術を武器とする4名の研究者に、複雑な中枢神経系疾患のメカニズム解明から治療法提案に至る研究成果についてご発表いただきます。また、本シンポジウムは、長年、解剖学会学術集会にて神経形態学の研究交流を担ってきた第57回神経解剖懇話会を兼ねる予定です。これらが、日進月歩の形態学を通じた中枢神経系疾患の理解を深めるだけでなく、所属学会の垣根を越えた交流の場になることを期待しています。