APPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)

座長：西村 有平（三重大学大学院医学系研究科統合薬理学分野）、斎藤 将樹（帝京大学薬学部病態生理学研究室）

一次繊毛は細胞膜がアンテナ状に突出した長さ2-5マイクロメートル程度の細胞小器官である。選択的に局在する受容体やチャネルを通して様々なシグナルを感知し、細胞内にそのシグナルを伝達することで、細胞機能を適切に制御している。一次繊毛は極小の構造物であるため、内部構造や機能の解析が困難であったが、近年、領域横断的な研究が発展し、一次繊毛による細胞機能制御のメカニズムや、一次繊毛の機能障害による疾患発症のメカニズムなど、多彩な役割が続々と解明されている。本シンポジウムでは、一次繊毛に関する最新の研究成果を紹介し、解剖学、生理学、薬理学的観点から、治療標的としての一次繊毛の可能性について議論を深めたい。