APPW2025(第130回日本解剖学会/第102回日本生理学会/第98回日本薬理学会合同大会)

座長：根本 崇宏（日本医科大学）、栃谷 史郎（鈴鹿医療科学技術大学）

Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD) 学説では、発生初期の望ましくない環境が胎児(仔)の将来の種々の疾患発症リスクを高めることが提唱されている。DOHaD学説の礎となったオランダ飢饉の疫学研究では、妊娠期間中に飢饉に遭った母からの児は小さな体格となり成長後の疾患発症率が上昇しただけでなく、孫世代においても出生体重が軽いことが報告されたことから子孫の健康も害される懸念がある。しかし、胎生期環境の疾患発症リスク形成のみならず超世代的疾患発症リスクの形成機序の詳細は明らかではない。そこで、本シンポジウムでは、発生初期の望ましくない環境がどのように疾患発症リスクを形成するか、そしてそれがどのように次世代に継承され、次世代の疾患発症リスクに影響するかを形態学的、生理学的、薬理学的に理解するとともに、世代間伝搬を断絶して子孫の健やかな未来を獲得する方法論を議論したい。