セッション詳細
[3S03m]冬眠生物学: 能動的な低代謝-低体温の生理機構
2025年3月19日(水) 8:30 〜 10:20
第3会場
座長：榎木 亮介（自然科学研究機構 生命創成探究センター/生理学研究所）、砂川 玄志郎（理化学研究所 生命機能科学研究センター）
共催：学術変革領域(A) 冬眠生物学2.0
哺乳類は37℃付近の極めて狭い温度帯域に体温を保つ「恒温動物」であり、僅か数度でもこの体温域から逸脱した状態が続くとすぐに生理機能が破綻し、全身恒常性が乱れて不可逆的な損傷を受ける。しかし幾つかの動物種においては、冬季の体熱産生源が不足する厳しい環境下において、能動的に体温-代謝を低下させる「冬眠・休眠」を発動し、体温が外気温程度まで低下し、極端な低体温-低代謝状態となる。これまでの冬眠・休眠研究の多くは観察的な記述に留まっており、その生理機能やそのメカニズムの殆どは未解明である。本シンポジウムでは、未解明のまま残されてきた哺乳類の冬眠・休眠の謎に対し、その解決にむけた様々な分野の研究者が、冬眠・休眠の制御・達成原理とその生体応答機構について最新の知見を発表し、今後の冬眠生物学の方向性について探る。
[3S03m-1]Characteristics of lipid metabolism during hibernation in the Syrian hamster.
○山内 彩加林1,2, 山下 純平1, 杉浦 悠毅3, 松岡 悠太3, 曽根 正光1,2, 山口 良文1,2 (1.北大低温研・生物環境・冬眠代謝生理発達分野, 2.北大・院環境・生物圏科学, 3.京大・院医・がん免疫総合研究センター)
[3S03m-2]Maintenance of skeletal muscle homeostasis in hibernating animals through active hypometabolism
○宮崎 充功 (広島大学大学院医系科学研究科生理機能情報科学)
[3S03m-3]Bidirectional interactions between gut microbes and host energy metabolism under artificial hibernation
○宮島 伶奈1, 山田 恭央2, 砂川 玄志郎3,4, 櫻井 武5, 長谷 耕ニ1 (1.慶應義塾大学大学院薬学研究科生化学講座, 2.Department of Immunology, Yale School of Medicine, 3.理化学研究所生命機能科学研究センター冬眠生物学研究チーム, 4.公益財団法人サントリー生命科学財団 サントリー SunRiSE フェロー, 5.筑波大学医学医療系分子行動生理学)
[3S03m-4]Body temperature regulates glucose metabolism
○Ming-Liang Lee1,2, Ching-Pu Ching-Pu1,2, 戶田 知得3, 根本 知己1,2, 榎木 亮介1,2 (1.自然科学研究機構 生命創成探究センター, 2.自然科学研究機構 生理学研究所, 3.熊本大学大学院生命科学研究部)
[[OD]3S03m-5]Noninvasive Induction of a Torpor-like Hypometabolic State through Ultrasound Stimulation of the Hypothalamus
○Hong Chen (Washington University in St. Louis)