セッション詳細

[S1]シンポジウム1 小児神経疾患の着床前遺伝学的検査を考える

2025年6月4日(水) 16:40 〜 18:40
第1会場
座長:竹下 絵里(国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経小児科) ,岡崎 哲也(岡山大学学術研究院医歯薬学域臨床遺伝子医療学分野,岡山大学病院臨床遺伝子診療科)
小児神経疾患には、根本的な治療法がなく成人になる前に高度な医療を要する疾患が少なくない。着床前遺伝学的検査(PGT)では、体外受精で得られた胚の移植前に染色体または遺伝子の解析を行う。このうち、重篤な遺伝性疾患の病因となる遺伝子の変化のない胚を選択することで、当該疾患をもつ子の出生を回避するための技術がPGT-Mである。2022年1月に日本産科婦人科学会から「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する見解」が示され、承認施設でのPGT-Mが可能になり、国内での体制整備が進んでいる。PGT-Mは疾患を有する患者と家族に恩恵をもたらす可能性がある一方で、その実施に向けては、倫理的および社会的な側面についても慎重に検討していく必要がある。また、従来重篤な遺伝性疾患とされてきた小児神経疾患の一部では、治療法の臨床実装が進み、症状の軽症化や予後の改善が見込まれる場合もあり、「重篤」の考え方についてこの点も踏まえた議論が必要だと考えられる。本シンポジウムでは、臨床遺伝専門医、産婦人科医、認定遺伝カウンセラーの立場でPGT-Mに関わる専門家から講演いただき、小児神経疾患のPGT-Mの展望と課題について検討する。

[S1-1]着床前遺伝学的検査の症例審査の現状と課題

佐々木 愛子 (国立成育医療研究センター)

[S1-2]筋ジストロフィーの着床前診断の申請書記載に関し気を付けること、おさえておくべきこと

池田(谷口) 真理子 (高知大学医学部小児科)

[S1-3]着床前遺伝学的検査の現場から

庵前 美智子 (医療法人三慧会IVFなんばクリニック)