セッション詳細
[S13]シンポジウム13 日本小児神経学会として取り組む成人移行期医療
2025年6月6日(金) 8:30 〜 10:30
第5会場
座長:井上 貴仁(福岡大学病院総合周産期母子医療センター) ,宮本 雄策(聖マリアンナ医科大学小児科)
小児期に発症する神経系疾患においては、移行期を迎える患者の多くが重症心身障害児(以下:重症児)の状態であり、また、様々な医療的ケアを必要とする「医ケア児」の比率も高い。体格の面から手技や処置(静脈ライン確保など)が困難であり、さらに自律的意思決定が困難であることから、臓器別疾患の中では特に、移行期医療において解決しなければならない問題が多彩かつ複雑であると感じてきた。加えて小児神経科医の中でも移行期についての考え方は様々であり、「看取りまで小児神経科医が行うべきである!」と考える医師も決して少数派ではない。しかし、医療費の問題も含めると、移行期問題は現時点で医師個人の熱意や主観によって支えられることが困難な状況であると考える。重症児および医ケア児の在宅生活には、「基礎疾患の専門診療」「日常生活を送るための総合診療(多くは訪問診療医が担う)」「合併症発症時の入院診療(多くは地域拠点病院が担う)」の三つが必要不可欠である。しかし、特に合併症の入院診療については医療機関の選定が極めて困難である。現状で学会としてこの問題にどう取り組むか?忌憚なく議論するシンポジウムとしたい。
[S13-1]医療費助成制度からみた移行医療(小児慢性特定疾病から指定難病へ)
○盛一 享徳 (国立成育医療研究センター研究所小児慢性特定疾病情報室)
[S13-2]大学病院における小児入院に関する診療報酬について
○井上 貴仁 (福岡大学病院総合周産期母子医療センター)
[S13-3]筋疾患における成人移行の問題点:成人診療科にも専門医がいる疾患の成人移行
○尾方 克久1,3,4, 齊藤 利雄2,3,4 (1.国立病院機構東埼玉病院, 2.国立病院機構大阪刀根山医療センター, 3.日本神経学会小児-成人移行医療対策特別委員会, 4.日本難病医療ネットワーク学会小児-成人移行医療特別委員会)
[S13-4]重症心身障害児の成人移行の問題点:成人診療科に専門医がいない障害児の成人移行
○宮本 雄策 (聖マリアンナ医科大学小児科)
[S13-5]脳神経小児科外来から成人科訪問診療に移行した3例
○佐々木 修治1,2, 前垣 義弘2, 中村 裕子2 (1.医療法人寛謙会在宅ケアクリニック米子, 2.鳥取大学医学部脳神経小児科学分野)
[S13-6]転科・転院の困難な小児神経疾患を有する成人患者に最適な移行期医療をどう提供するか
○鈴木 保宏1,2 (1.岸和田リハビリテーション病院, 2.大阪母子医療センター)