セッション詳細

[S14]シンポジウム14 結節性硬化症の診療update:各科のエキスパートの視点から

2025年6月6日(金) 18:45 〜 20:45
第6会場
座長:岡西 徹(鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経小児科学分野) ,藤本 礼尚(聖隷浜松病院てんかんセンター)
結節性硬化症(TSC)はTSC1・TSC2遺伝子の機能喪失変異により脳、眼、皮膚、心臓、腎臓、肺、口腔、歯、骨をはじめとする多臓器に過誤組織・過誤腫を発症し、それぞれの臓器に特徴的な病像を呈する神経皮膚症候群である。また各臓器疾患だけでなく、中枢神経の病態から二次的に生じる結節性硬化症関連神経精神症状も引き起こされ、生活上大きな問題となる。
現在は臨床症状(大症状11個+小症状7個)または遺伝子検査にて確定診断を行う。遺伝子検査については近年、複数の先進的な手法を組み合わせることで殆どの例でバリアントが見つけられる様になった。
TSCの診断とフォローアップは多科連携によりシステマティックに行う必要がある。これらについて欧州のThe International TSC Clinical Consensus Groupにより2017年に診断およびフォローアップの推奨案が出され、2021年に改定案が出されている。mTOR阻害薬(エベロリムス・シロリムス)は脳SEGA、腎血管筋脂肪腫、肺リンパ脈管筋腫症、てんかん、皮膚病変に対して高いエビデンスで有効性が示される。エベロリムスの内服薬はTSCの診断そのものに適応となっており、臓器症状が重くなる前から使用しても良い。使用することで腫瘍性病変の新規出現や増大を抑制するため、TSC患者の長期管理において重大な選択となる。
近年大幅に進歩したTSC診療について、小児神経科だけでなく皮膚科、泌尿器科、遺伝子診療科医のエキスパートより先進的な視点をお話しいただき、また注目される薬物の動物実験についてもご発表いただく。

[S14-1]結節性硬化症に伴うてんかんと神経精神症状(TAND)について

岡西 徹 (鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経小児科学分野)

[S14-2]結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪種に対する最新治療

波多野 孝史 (聖隷横浜病院泌尿器科)

[S14-3]結節性硬化症の皮膚病変の治療

金田 眞理 (大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻神経皮膚症候群の治療法の開発と病態解析学寄附講座)

[S14-4]結節性硬化症の遺伝学的検査と遺伝カウンセリング

新井田 要1.2 (1.金沢医科大学病院ゲノム医療センター, 2.金沢医科大学総合医学研究所先端医療研究領域ゲノム疾患研究分野)

[S14-5]Rheb活性化阻害効果に基づく新規結節性硬化症治療薬候補の提案

島田 忠之1, 杉浦 弘子1, 山形 要人1,2 (1.東京都医学総合研究所, 2.高田西城病院)