セッション詳細
[S5]シンポジウム5 薬剤抵抗性てんかんの病態解明
2025年6月5日(木) 10:10 〜 12:10
第2会場
座長:浜野 晋一郎(埼玉県立小児医療センター小児てんかんセンター) ,夏目 淳(名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座)
近年,多数の抗発作薬が承認され臨床現場で広く使用されていることにより多大な恩恵がもたらされていると思われる.確かに新規抗発作薬は有害事象を軽減し,難治とされているてんかん症候群においても発作頻度を低減している.しかし,ここ20年間で薬剤抵抗性てんかんの割合はてんかん症例全体の約30%とその比率は減少しておらず,発作の完全抑制という観点では,いまだ多くの症例に十分な改善が得られているとはいえない.同時に薬剤抵抗性てんかんの併存症に対する治療は極めて限定的で,患児のQOL改善に結びついていない.薬剤抵抗性てんかんとその併存症も含めてんかんの病態生理を解明することは,より有効な治療の開発,病態に応じた効率の良い治療選択,そして併存症の軽減と予防に結びつく事が期待される.薬剤抵抗性てんかんは多彩な原因と病態を包含する.そのため,本シンポジウムでは様々な薬剤抵抗性てんかんの病態を,異なる視点から解明しようと試みた4つの研究に着目した.対象が異なることに加え,全く異なる方法により解析したこれらの研究から,共通する病態の推察と他のてんかん症候群への応用等に関して議論を深め次の段階に発展させる機会を得たい.
[S5-1]ミオクロニーてんかんにおける遺伝学的および代謝学的知見:NIH 未診断疾患プログラムコホート研究
○島田 姿野1.2 (1.順天堂大学臨床遺伝学研究室, 2.静岡てんかん神経医療センター)
[S5-2]病因不明の乳児てんかん性スパズムに対するACTH療法によるQ—albumin の変化
○松浦 隆樹1, 浜野 晋一郎1, 竹内 博一1,2, 竹田 里可子1, 堀田 悠人1, 平田 佑子1,2, 小一原 玲子3, 菊池 健二郎1,2, 岡 明1 (1.埼玉県立小児医療センター神経科, 2.東京慈恵会医科大学小児科, 3.埼玉県立小児医療センター保健発達部)
[S5-3]ドラベ症候群の進行性歩行障害におけるドパミンの関与
○伊藤 祐史 (名古屋大学医学部附属病院)
[S5-4]全般発作を呈する焦点てんかんの臨床病理学的特徴
○飯島 圭哉1, 山本 薫2, 住友 典子2, 馬場 信平2, 佐野 輝典3, 高尾 昌樹3, 佐藤 典子4, 林 貴啓1, 木村 唯子1, 金子 裕1, 小牧 宏文2, 岩崎 真樹1 (1.国立精神・神経医療研究センター病院脳神経外科, 2.国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科, 3.国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部, 4.国立精神・神経医療研究センター病院放射線診療部)