電気化学会第94回大会

大会実行委員長挨拶

電気化学会第94回大会開催にあたって 

 

電気化学会第94回大会 実行委員長
神戸大学大学院工学研究科教授
水畑 穣
Minoru MIZUHATA


 2027年3月29日から31日まで,神戸大学において電気化学会第94回大会を開催いたします.歴代の実行委員長の先生方から,「いろいろ準備はするけれど,いざ始まってしまえば大会は自然に動いていくものだ」と何度も聞きました.この原稿を書いている今の私にはまだその実感はありませんが,3月を迎えれば私も同じことを言っているのかもしれません.

「マンネリ」は mannerism,その語源をたどればイタリア語の maniera,すなわち「様式」「やり方」に行き着きます.1933年に創立された本会は,同年に第1回大会を開催して以来,戦禍や震災による会場開催の中止,コロナ禍でのオンライン開催,ECSやISEとの合同開催など,折々にその姿を変えながら第94回まで歩んできました.毎年,会場を整え,プログラムを組み,研究成果を持ち寄って発表し,議論する.その「形」が一世紀近く受け継がれてきたわけです.

そして,その「形」を大会として完成させるのは,毎回千名を超えて集まってくださる参加者の皆様です.これをマンネリと呼ぶなら,まさに「偉大なマンネリ― La grande maniera」です.そして,その皆様をお迎えする実行委員長によるこの「展望」記事も,「由緒正しいマンネリ」の一つでしょう.

神戸大学での大会は,2001年の第68回大会以来26年ぶりとなります.その折には,前年にノーベル化学賞を受賞された白川英樹先生の特別講演が実現しました.このような巡り合わせは,実行委員会が企画して作れるものではありません.今回も整えるべきものを整え,あとは「待てば海路の日和あり」の気持ちで大会の日を迎えることができればと思っています.港町神戸には,ちょうどよい言葉かもしれません.

もっとも,参加される皆様にとって,会場までの道のりは平坦ではありません.JR六甲道駅から神戸大学までは100 mを超える標高差があり,大会会場となる百年記念館六甲ホールと各賞の授賞式が開催される六甲台講堂の間にも約50 mの高低差があります.坂道にはご苦労をおかけしますが,その分,帰路には神戸の街と大阪湾を見渡していただけるでしょう.

94回目の大会も,変わらず,いつものように人が集まり,発表し,議論し,そこから思いがけない出会いや研究の種が生まれる.その「いつもの大会」を無事に次へつなぐことが,実行委員会の役割だと思っています.

春の神戸,山と海が望める神戸大学で,皆様をお迎えできることを楽しみにしております.