大会長挨拶
環境DNA学会は2018年の設立以来、環境DNAを生態系の持続的利用や環境保全に資する学問分野として発展させることを目的に、学際的な研究交流と技術の高度化を推進してきました。生態学や遺伝学に加え、物理学、化学、工学、情報科学など多様な分野の研究者・技術者が参画し、環境DNAはこの10年で急速に発展してきました。
現在、環境DNAは研究手法としての段階を越え、社会のさまざまな場面で活用され始めています。生物多様性モニタリング、環境影響評価、行政施策、さらには企業活動や市民科学に至るまで、その応用範囲は着実に広がっています。私たちは今、環境DNAを「研究」から「社会インフラ」へと位置づけ直す重要な転換点に立っていると考えています。
このような背景のもと、第9回環境DNA学会大会(仙台大会)では、
「社会インフラとしての環境DNAの未来を描く」
をテーマに掲げました。本大会では、国際的な環境DNA観測ネットワークの展開、標準化やデータ基盤の構築、そして地域や社会における実装のあり方について、多角的な議論を行います。とりわけ、ANEMONE Globalをはじめとする国際的な取り組みや、社会実装に向けた新たな挑戦を共有することで、環境DNAの次のステージを展望する場としたいと考えています。
本大会の開催地である仙台は、豊かな自然環境と都市機能が調和した地域であり、東北大学を中心に多様な研究・社会連携が展開されています。この地において、国内外の研究者・技術者・実務者が一堂に会し、新たな連携と発想が生まれることを大いに期待しています。
本大会が、環境DNA研究のさらなる発展と、その社会実装を加速する契機となることを願っております。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

