講演情報
[P-101]オーラルディアドコキネシスの発音回数測定アプリの開発
○荒木 尋斗1、青山 薫英1、留岡 諭志1、安藤 万乃1、南 翔太2、武重 百香2、廉 キン2、内山 千代子1、栗田 啓1 (1. ライオン株式会社 口腔健康科学研究所、2. ライオン株式会社 デジタル戦略部)
【目的】
口腔機能低下症の診断には,7つの下位症状(口腔衛生状態不良,口腔乾燥,咬合力低下,舌口唇運動機能低下,低舌圧,咀嚼機能低下,嚥下機能低下)に対する7項目の精密検査が行われる。専門的機器や消耗品を必要とする検査もあり,導入コスト・ランニングコストが課題となっている。本課題の一端を解決し口腔機能検査の普及を促すため,専門的機器を必要とせず,手持ちのデジタル機器で誰もが簡便に扱えるオーラルディアドコキネシス(ODK)のアプリケーションを開発した。本アプリには,/pa/,/ta/,/ka/発音時の音声データを波形解析することで発音回数を算出するアルゴリズムを搭載している。本研究では,構築したアルゴリズムの測定精度を検証することを目的とした。
【方法】
2024年6月~8月に25~74歳の健常成人80名を対象とし,口腔機能に関する検査,口腔内の検査等を実施した。このうち,ODKについては健口くん(竹井機器工業)を用いて測定した。また,同時にODK発音時の音声データを録音した。その後オプトアウトを実施し,研究利用(2次利用)の同意を撤回しなかった78名(男性40名,女性38名,平均年齢49.7±14.3歳)を本研究の対象とした。ODKの解析には,健口くんによる測定値,録音した音声データからカウントした測定値並びに開発アルゴリズムによる測定値を用いた。3種の方法で算出した測定値の相関関係について,ピアソンの相関解析を用いて検討した。
【結果と考察】
/pa/,/ta/,/ka/いずれの発音においても,3種の方法で算出した発音回数値の間に有意な強い正の相関を認めた。本結果より,今回構築したアルゴリズムがODKの測定において,高い精度を有することが示された。本アルゴリズムを搭載したアプリケーションは,専門的機器と同等の精度を有し,様々なデバイスで活用可能なため,検査の普及率向上に寄与する可能性がある。本アプリの特徴として,5秒間または10秒間の発音回数,1秒当たりの発音回数と推移,舌口唇運動の重要性を記した結果レポートの表示・印刷が可能である。併せて,3学会合同ステートメントで設定されたオーラルフレイル5(OF-5)のチェック機能も搭載しており,歯科診療,歯科健診など幅広い場面で活用できるものと考える。
(COI開示:ライオン株式会社)
(ライオン株式会社倫理審査委員会 臨床審査No.395,No.398)
口腔機能低下症の診断には,7つの下位症状(口腔衛生状態不良,口腔乾燥,咬合力低下,舌口唇運動機能低下,低舌圧,咀嚼機能低下,嚥下機能低下)に対する7項目の精密検査が行われる。専門的機器や消耗品を必要とする検査もあり,導入コスト・ランニングコストが課題となっている。本課題の一端を解決し口腔機能検査の普及を促すため,専門的機器を必要とせず,手持ちのデジタル機器で誰もが簡便に扱えるオーラルディアドコキネシス(ODK)のアプリケーションを開発した。本アプリには,/pa/,/ta/,/ka/発音時の音声データを波形解析することで発音回数を算出するアルゴリズムを搭載している。本研究では,構築したアルゴリズムの測定精度を検証することを目的とした。
【方法】
2024年6月~8月に25~74歳の健常成人80名を対象とし,口腔機能に関する検査,口腔内の検査等を実施した。このうち,ODKについては健口くん(竹井機器工業)を用いて測定した。また,同時にODK発音時の音声データを録音した。その後オプトアウトを実施し,研究利用(2次利用)の同意を撤回しなかった78名(男性40名,女性38名,平均年齢49.7±14.3歳)を本研究の対象とした。ODKの解析には,健口くんによる測定値,録音した音声データからカウントした測定値並びに開発アルゴリズムによる測定値を用いた。3種の方法で算出した測定値の相関関係について,ピアソンの相関解析を用いて検討した。
【結果と考察】
/pa/,/ta/,/ka/いずれの発音においても,3種の方法で算出した発音回数値の間に有意な強い正の相関を認めた。本結果より,今回構築したアルゴリズムがODKの測定において,高い精度を有することが示された。本アルゴリズムを搭載したアプリケーションは,専門的機器と同等の精度を有し,様々なデバイスで活用可能なため,検査の普及率向上に寄与する可能性がある。本アプリの特徴として,5秒間または10秒間の発音回数,1秒当たりの発音回数と推移,舌口唇運動の重要性を記した結果レポートの表示・印刷が可能である。併せて,3学会合同ステートメントで設定されたオーラルフレイル5(OF-5)のチェック機能も搭載しており,歯科診療,歯科健診など幅広い場面で活用できるものと考える。
(COI開示:ライオン株式会社)
(ライオン株式会社倫理審査委員会 臨床審査No.395,No.398)