講演情報

[P-103]OF-5を用いて判定されたオーラルフレイルに対する4週間のグミサプリ咀嚼の効果

○中川 雅史1、太田 緑2、上田 貴之2 (1. UHA味覚糖株式会社、2. 東京歯科大学老年歯科補綴学講座)
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【目的】
 オーラルフレイルへの対応として口腔機能向上のためのトレーニングなどが推奨されているが,自覚症状に乏しいこともあり,継続することが困難であることが多い。グミなどの食品摂取により口腔機能の向上が認められれば,日常生活の中に取り入れやすく継続しやすいと考えた。今回,我々は4週間のグミサプリ摂取がオーラルフレイルである者の口腔機能に及ぼす影響について検討することを目的とした。
【方法】
 対象は,20歳以上80歳未満のボランティア108名とした。オンラインによるOral Frailty 5-item Checklist (OF-5)への回答で,2項目以上に該当する者をオーラルフレイルと判定した。オーラルフレイルと判定された対象者に試験食品であるコラーゲンを含むグミサプリを郵送し,1日2粒を4週間摂取させた。調査開始時および4週間後に OF-5を実施した。摂取前後のOF-5該当項目数について,Wilcoxonの符号付順位検定を用いて比較を行った。有意水準は0.05とした。
【結果と考察】
 オーラルフレイルと判定された者は108名(平均年齢55±9.5歳,女性99名)で,該当率は100%であった。4週間後,108名中67名(62%)で低下項目数の減少を認め,このうち40名(37%)がオーラルフレイル非該当となった。OF-5の低下項目数は,摂取前の中央値が3.0だったのに対して,摂取後は2.0であった。
OF-5の質問項目別の低下該当率の変化は摂取前後で,残存歯数は15%で変化なく,咀嚼困難は74%が44%に,嚥下困難は77%が47%に,口腔乾燥は95%が67%に,滑舌低下は61%が40%になった。
以上の結果より,4週間のグミサプリ摂取によってオーラルフレイルに関する主観的な評価に改善が認められ,口腔機能が改善する可能性が示唆された。また,本研究では摂取時間帯や噛み方などは指示せず,市販のグミサプリを1日2粒ずつ4週間摂取することのみを指示した。それでも主観的な口腔機能が向上したことから,誰でも取り組みやすい方法であると考えられる。日常生活での新しい習慣によりオーラルフレイルが改善できる可能性が示された。今後は口腔機能の客観的評価も行っていく予定である。

(COI開示:UHA味覚糖株式会社)
(株式会社ユーザーライフサイエンス倫理審査委員会:ULS202407)