講演情報

[P-016]島根県歯科医師会が取り組む「しまねオレンジデンティスト」事業について ~その概要と効果、展望~

○前田 憲邦1、富永 一道1、齋藤 寿章1、清水 潤1、井上 幸夫1 (1. 島根県歯科医師会)
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【目的】島根県では2016年から歯科医師認知症対応力向上研修を開始し実施してきたが、参加者数は初年度の88名をピークに低下していた。また、歯科と認知症の関わりについて、患者・家族や関連専門職、行政の理解が不足しており、歯科医師が認知症関連会議に参加する機会も少なかった。この課題を解決し、共通の理解を深めるため、2021年から研修内容を見直し、2024年には「しまねオレンジデンティスト」事業を立ち上げた。本事業の概要と効果、今後の展望について示し、学会参加者の意見を求める。【方法】過去の研修会参加者数と県内各市町村および保健所の認知症関連会議への歯科医師の参加状況を調査し、効果を検証する。【結果と考察】研修の歯科医師参加者数は、2016年88名から2019年31名と減少したが、事業準備後は増加し、2021年47名、2022年62名、2023年51名となった。さらに、歯科医師以外の職種の参加も増加した。一方、本年度は参加者数が33名と減少したが、その理由は、研修参加を現地のみとし、内容を高度化した為と考えられる。認知症関連会議への歯科医師の参加は未だ多いとは言い難いが、本事業をきっかけに今年度から島根県主催の認知症関連会議に島根県歯科医師会も参加する事になった。来年度にはさらなる拡大が期待される。また、本事業により認知症における歯科の役割について理解が広がるとともに、地域での連携強化・推進が期待される。最後に、2021年より4年間研修会講師を務めて頂き、本事業に対しアドバイス頂いた東京都健康長寿医療センター研究所枝広あや子氏に感謝申し上げる。(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)