講演情報
[P-018]地域中核病院における摂食嚥下リハビリテーションの取り組み
○森田 達1、荒屋 千明1、蛭牟田 誠1,2、中尾 幸恵1,2、近石 壮登1,2、谷口 裕重2、近石 登喜雄3 (1. 医療法人社団登豊会近石病院 歯科・口腔外科、2. 朝日大学歯学部 摂食嚥下リハビリテーション学分野、3. 医療法人社団登豊会近石病院 外科)
【緒言・目的】
摂食嚥下リハビリテーションを行う上で地域の医師・歯科医師と地域中核病院の連携は重要である。当院は地域で対応困難な嚥下障害患者の紹介先の1つであり,外来・入院・訪問診療にて嚥下機能検査や摂食嚥下リハビリテーションを行っている。今回,当院での取り組みを地域から紹介された2症例と併せて報告する。なお,本報告の発表について患者本人と家族から文書による同意を得ている。
【症例および経過】
症例1:79歳,女性。既往に誤嚥性肺炎,左被殻出血あり。誤嚥性肺炎を疑う発熱を繰り返し,主治医より胃瘻の説明を受けたが希望されず。嚥下機能精査のため当院の嚥下外来を紹介された。初日に初期評価を行い,再診時にVE,VFを行った。嚥下調整食(コード2-1)の食事であれば残留や誤嚥を認めなかった。水分は濃とろみで嚥下中の喉頭侵入を認めた。体重減少に対し,管理栄養士による栄養指導を行なった。食事場面を確認するため,入所中の施設に訪問診療を行い,摂取量や食事姿勢の確認,また施設職員にとろみ付与の指導を行った。口腔衛生管理を訪問でも継続し,1か月経過時点で誤嚥性肺炎を発症していない。
症例2: 53歳,男性。X年9月に左被殻出血にて他院に入院した。嚥下障害により経口摂取困難と判断され,X年11月に胃瘻を造設した。回復期終了後に施設へ退院予定であったが摂食嚥下リハビリテーション継続の希望あり,地域の歯科医師に紹介されX+1年2月当院へ転院となった。転院2日目より多職種で初期評価を行い,翌日にVE・VFを実施した。舌運動機能低下による食塊形成不良や送り込み不良を認めたが,嚥下調整食(コード2-1)では咽頭残留および誤嚥を認めなかった。昼のみ嚥下調整食(コード2-1)・中間とろみにて経口摂取を開始した。歯科衛生士とSTで訓練を継続し,転院7日目に3食へ移行した。転院16日目のVE・VFでは食塊形成や送り込みの改善を認め軟飯・一口大・とろみなしに変更となった。
【考察】
地域から紹介された2症例共に経口摂取を継続することができた。地域中核病院である当院の外来・入院・訪問診療による摂食嚥下リハビリテーションは,様々な症例に対応することができ地域からの需要は高いと考えられる。地域と連携しながら摂食嚥下障害に対応できるようこの取り組みを継続していきたい。(COI開示:なし) (倫理審査対象外)
摂食嚥下リハビリテーションを行う上で地域の医師・歯科医師と地域中核病院の連携は重要である。当院は地域で対応困難な嚥下障害患者の紹介先の1つであり,外来・入院・訪問診療にて嚥下機能検査や摂食嚥下リハビリテーションを行っている。今回,当院での取り組みを地域から紹介された2症例と併せて報告する。なお,本報告の発表について患者本人と家族から文書による同意を得ている。
【症例および経過】
症例1:79歳,女性。既往に誤嚥性肺炎,左被殻出血あり。誤嚥性肺炎を疑う発熱を繰り返し,主治医より胃瘻の説明を受けたが希望されず。嚥下機能精査のため当院の嚥下外来を紹介された。初日に初期評価を行い,再診時にVE,VFを行った。嚥下調整食(コード2-1)の食事であれば残留や誤嚥を認めなかった。水分は濃とろみで嚥下中の喉頭侵入を認めた。体重減少に対し,管理栄養士による栄養指導を行なった。食事場面を確認するため,入所中の施設に訪問診療を行い,摂取量や食事姿勢の確認,また施設職員にとろみ付与の指導を行った。口腔衛生管理を訪問でも継続し,1か月経過時点で誤嚥性肺炎を発症していない。
症例2: 53歳,男性。X年9月に左被殻出血にて他院に入院した。嚥下障害により経口摂取困難と判断され,X年11月に胃瘻を造設した。回復期終了後に施設へ退院予定であったが摂食嚥下リハビリテーション継続の希望あり,地域の歯科医師に紹介されX+1年2月当院へ転院となった。転院2日目より多職種で初期評価を行い,翌日にVE・VFを実施した。舌運動機能低下による食塊形成不良や送り込み不良を認めたが,嚥下調整食(コード2-1)では咽頭残留および誤嚥を認めなかった。昼のみ嚥下調整食(コード2-1)・中間とろみにて経口摂取を開始した。歯科衛生士とSTで訓練を継続し,転院7日目に3食へ移行した。転院16日目のVE・VFでは食塊形成や送り込みの改善を認め軟飯・一口大・とろみなしに変更となった。
【考察】
地域から紹介された2症例共に経口摂取を継続することができた。地域中核病院である当院の外来・入院・訪問診療による摂食嚥下リハビリテーションは,様々な症例に対応することができ地域からの需要は高いと考えられる。地域と連携しながら摂食嚥下障害に対応できるようこの取り組みを継続していきたい。(COI開示:なし) (倫理審査対象外)