講演情報
[P-024]施設向け歯科訪問診療支援アプリを利用した要介護患者の口腔環境と摂食状態を管理する取り組み事例
○齋藤 壮1,2、山澄 尚大2、續木 アナスタシア2、小瀬木 美香2、村井 琴恵2、島田 星羅2、山口 優姫2、小林 健一郎1,2、竜 正大1、上田 貴之1 (1. 東京歯科大学老年歯科補綴学講座、2. こばやし歯科クリニック)
【目的】
歯科訪問診療において患者の口腔内の状況や摂食状況の把握は重要である。効果的な口腔衛生管理や口腔機能管理のためには,それらの情報を施設の介護職員等と共有することが必要不可欠である。しかし,歯科専門職と介護職員の間では知識や技術の差があるため,報告者により報告内容の量や質の差が生じる可能性がある。また,詳細な記録には時間がかかり,職員の負担が増大する可能性もある。
そこで我々は,施設向け歯科訪問診療支援アプリ(噛むログクラウド,ヨシダ)を,タブレット端末を用いて使用して施設入所者の口腔環境の共有を行っている。このアプリは,施設入所者の基本情報,Oral Health Assessment Tool(OHAT)を使用した口腔環境の評価,食事の摂取情報等を,項目をチェックするだけで簡便に記録ができる。また,その情報を施設内の介護職員と共有することができるため,歯科専門職と介護職員の間でも均質な評価の正確な共有にも有効であると考えた。
【方法】
東京都の介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護・介護予防特定施設入居者生活介護)にて行った。施設内における歯科訪問診療の際に歯科医師または歯科衛生士が,施設入所者の基本情報(性別,年齢,身長,体重,残存歯数,認知症罹患の有無,要介護度,基礎疾患,Body Mass Index(BMI),呼吸器の使用の有無,歩行形態,体幹支持),OHATを使用した口腔環境の評価,ミールラウンドの際に食事の摂取情報(栄養摂取方法,食形態,食事中の姿勢,食事の介助の有無,食事の提供回数,食具,食事時間)を施設向け歯科訪問診療支援アプリで記録した。記録した情報は,診療後に施設の介護職員に対し共有した。その情報を基に,歯科医師・歯科衛生士と介護施設職員とにより口腔ケアプランを協議した。
【結果と考察】
アプリを使用することで施設入所者の状態を短時間で正確に共有できるようになった。現在は歯科専門職が評価し,介護職員に共有している。アプリの操作は簡便であるため,今後は介護施設職員が食事の際などの日常生活における評価と記録を行うなど,歯科専門職と相互補完する形で記録をしたり,ケアプラン作成だけでなく再評価を共同で行ったりといった活用が提案されており,今後の施設入所者の口腔健康管理の向上に一助になるものと考える。
(COI 開示:なし)
(東京歯科大学倫理審査委員会承認番号 1263)
歯科訪問診療において患者の口腔内の状況や摂食状況の把握は重要である。効果的な口腔衛生管理や口腔機能管理のためには,それらの情報を施設の介護職員等と共有することが必要不可欠である。しかし,歯科専門職と介護職員の間では知識や技術の差があるため,報告者により報告内容の量や質の差が生じる可能性がある。また,詳細な記録には時間がかかり,職員の負担が増大する可能性もある。
そこで我々は,施設向け歯科訪問診療支援アプリ(噛むログクラウド,ヨシダ)を,タブレット端末を用いて使用して施設入所者の口腔環境の共有を行っている。このアプリは,施設入所者の基本情報,Oral Health Assessment Tool(OHAT)を使用した口腔環境の評価,食事の摂取情報等を,項目をチェックするだけで簡便に記録ができる。また,その情報を施設内の介護職員と共有することができるため,歯科専門職と介護職員の間でも均質な評価の正確な共有にも有効であると考えた。
【方法】
東京都の介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護・介護予防特定施設入居者生活介護)にて行った。施設内における歯科訪問診療の際に歯科医師または歯科衛生士が,施設入所者の基本情報(性別,年齢,身長,体重,残存歯数,認知症罹患の有無,要介護度,基礎疾患,Body Mass Index(BMI),呼吸器の使用の有無,歩行形態,体幹支持),OHATを使用した口腔環境の評価,ミールラウンドの際に食事の摂取情報(栄養摂取方法,食形態,食事中の姿勢,食事の介助の有無,食事の提供回数,食具,食事時間)を施設向け歯科訪問診療支援アプリで記録した。記録した情報は,診療後に施設の介護職員に対し共有した。その情報を基に,歯科医師・歯科衛生士と介護施設職員とにより口腔ケアプランを協議した。
【結果と考察】
アプリを使用することで施設入所者の状態を短時間で正確に共有できるようになった。現在は歯科専門職が評価し,介護職員に共有している。アプリの操作は簡便であるため,今後は介護施設職員が食事の際などの日常生活における評価と記録を行うなど,歯科専門職と相互補完する形で記録をしたり,ケアプラン作成だけでなく再評価を共同で行ったりといった活用が提案されており,今後の施設入所者の口腔健康管理の向上に一助になるものと考える。
(COI 開示:なし)
(東京歯科大学倫理審査委員会承認番号 1263)