講演情報
[P-114]80歳以上の高齢者におけるOF-5によるオーラルフレイルの評価と全身状態の関連性
○安田 悠1、西尾 健介1、吉田 貴政1、松浦 玄武1、柳澤 直毅1、岡田 真治1、西川 美月1、伊藤 智加1、飯沼 利光1 (1. 日本大学歯学部)
【目的】
2024年4月にオーラルフレイル(Oral frailty : OF)の新たな評価指標である「Oral frailty 5-item Checklist(OF-5)」が発表され,OFのさらなる社会への普及が期待されている。しかし,OF-5により評価されたOFと全身状態との関連性については,エビデンスが未だ不十分である。さらに,わが国の平均寿命の延長に伴い,より高齢な世代におけるOFと全身状態の関連性が注目されている。そこで本研究では,80歳以上の高齢者を対象に,OF-5で評価されたOFと複数の全身状態の関連性について検討した。
【方法】
当講座では日本大学歯学部同窓会の協力を得て, 80歳以上の口腔症状が安定している患者を対象に,口腔の健康と身体・精神的健康状態に関する疫学調査を実施している。本発表では,令和3年5月~令和6年10月の間に調査に参加した154名の結果を報告する。OFの評価はOF-5を用いて行った。全身状態は質問票により認知機能(MMSE),日常生活動作(ADL),精神健康状態(WHO-5),食事への満足度,フレイルついて評価し,MMSEは<24,ADLは<100,WHO-5は<13を低下ありとし,フレイルは基本チェックリスト合計点>6をフレイルありと判定した。統計解析はOF の有無と全身状態の5項目について,χ2検定で解析した後に,有意な差を認めた項目に対して,OFの有無が与える影響をロジスティック回帰分析にて評価した。
【結果・考察】
被験者のOF該当率は51.3%(81人)であった。OFの有無と全身状態に関して,OF+の被験者の方はOF-の被験者に比べ,ADL(P = 0.009)WHO-5(P < 0.001)の低下者が有意に多く, さらにフレイルの被験者が有意に多かった(P < 0.001)。ロジスティック回帰分析の結果では, ADLの低下(OR:5.137,P = 0.040), WHO-5の低下(OR : 7.676,P = 0.002),フレイル(OR : 4.026,P = 0.001)は有意な結果を示した。
本研究の結果より,80歳以上の高齢者においても,OF-5で評価されたOFの有無と全身状態に関連性があることが示された。
(COI開示なし)
(日本大学歯学部倫理委員会承認番号:EP20D-001)
2024年4月にオーラルフレイル(Oral frailty : OF)の新たな評価指標である「Oral frailty 5-item Checklist(OF-5)」が発表され,OFのさらなる社会への普及が期待されている。しかし,OF-5により評価されたOFと全身状態との関連性については,エビデンスが未だ不十分である。さらに,わが国の平均寿命の延長に伴い,より高齢な世代におけるOFと全身状態の関連性が注目されている。そこで本研究では,80歳以上の高齢者を対象に,OF-5で評価されたOFと複数の全身状態の関連性について検討した。
【方法】
当講座では日本大学歯学部同窓会の協力を得て, 80歳以上の口腔症状が安定している患者を対象に,口腔の健康と身体・精神的健康状態に関する疫学調査を実施している。本発表では,令和3年5月~令和6年10月の間に調査に参加した154名の結果を報告する。OFの評価はOF-5を用いて行った。全身状態は質問票により認知機能(MMSE),日常生活動作(ADL),精神健康状態(WHO-5),食事への満足度,フレイルついて評価し,MMSEは<24,ADLは<100,WHO-5は<13を低下ありとし,フレイルは基本チェックリスト合計点>6をフレイルありと判定した。統計解析はOF の有無と全身状態の5項目について,χ2検定で解析した後に,有意な差を認めた項目に対して,OFの有無が与える影響をロジスティック回帰分析にて評価した。
【結果・考察】
被験者のOF該当率は51.3%(81人)であった。OFの有無と全身状態に関して,OF+の被験者の方はOF-の被験者に比べ,ADL(P = 0.009)WHO-5(P < 0.001)の低下者が有意に多く, さらにフレイルの被験者が有意に多かった(P < 0.001)。ロジスティック回帰分析の結果では, ADLの低下(OR:5.137,P = 0.040), WHO-5の低下(OR : 7.676,P = 0.002),フレイル(OR : 4.026,P = 0.001)は有意な結果を示した。
本研究の結果より,80歳以上の高齢者においても,OF-5で評価されたOFの有無と全身状態に関連性があることが示された。
(COI開示なし)
(日本大学歯学部倫理委員会承認番号:EP20D-001)