講演情報

[摂食更新P-01]長崎嚥下食デザートコンテストの開催

○三串 伸哉1 (1. 森本歯科医院)
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【目的】2020年より長崎嚥下食デザートコンテストを開催してきた。コンテストの目的は摂食嚥下障害の啓発および美味しく食べやすい嚥下調整食の開発、普及である。【方法】 例年7月頃より日本摂食嚥下リハ学会嚥下調整食分類コード0j〜4に該当するデザートのレシピを募集した。9月に募集を締め切り、1次選考を行い、決勝進出者を決めた。11月の決勝審査では当日実際に調理したデザートを実食審査し、グランプリレシピを選考した。コンテスト終了後からレシピ集を製作し、完成後に無料配布した。【結果と考察】新型コロナウィルス感染症拡大で開催が危ぶまれたこともあったが、2024年までに5回のコンテストを開催した。毎回異なったテーマで募集部門も新設しながら開催し、1回目からそれぞれ、35件、22件、16件、12件、20件のレシピが集まった。応募者は摂食嚥下障害患者の家族や施設病院の職員、学生など様々であった。応募者においてはレシピ考案から決勝審査のプレゼンなどで摂食嚥下障害について学んでいた。コンテストの様子は新聞などのメディアを通じて報じられ広く啓発に繋がった。レシピ集は摂食嚥下障害に関する情報を加え、2000部印刷し、地域包括支援センターや病院、高齢者サロン、高齢者施設などに届けた。また、第2回のコンテストグランプリレシピは長崎の名物ケーキを食べやすくしたものであった。レシピをもとに長崎の老舗洋菓子店に開発協力を依頼し、高齢者施設で試作品のモニタリングを繰り返しながら商品化を目指している。コンテスト開催の問題点としては、募集告知が難しいことと開催費用が挙げられた。現状は福祉科や栄養科のある学校や高齢者施設、病院などに手当たり次第募集要項を郵送している。今後より広く、多くの人にコンテストへ関心を持ってもらい、参加してもらうために地域の掲示板やSNSでの告知が必要と考えた。費用については助成金を活用しているが、獲得できなかった年もあり、今後開催を続けていくために安定した収入源が必要である。また、レシピ集を配布するだけでなく、レシピを利用して嚥下調整食を作るワークショップやカフェで実際に患者や患者に関わる人へアプローチして行きたいと考えている。 (COI 開示:なし)(倫理審査対象外)