講演情報

[摂食更新P-05]NPO法人摂食介護支援プロジェクトにおける歯科医師・歯科衛生士を対象とした嚥下研修~第2報 【教育活動】

○野原 幹司1 (1. 大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学講座)
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【目的】
NPO法人摂食介護支援プロジェクト(DHP)は2006年に設立され,摂食嚥下障害の治療を担う歯科医師・歯科衛生士を育成するための研修事業を行っている。演者は設立時からDHPに理事として参加し,摂食機能療法専門歯科医師の資格を生かしながら研修プログラムの全体設計・立案・実行を担当してきた。今回の発表では,前回の更新時の発表以降の2019年1月から2024年12月までのDHP研修内容・実績について報告する。
【方法】
DHPの研修記録を参照し,研修会の開催内容および回数,参加・修了者数を調べた。
【結果と考察】
[]内は開催回数を示す。
① 歯科医師(医師)対象研修:初級2日間コース117人修了[4回],中級2日間コース64人修了[4回],嚥下内視鏡マスターコース60人修了[5回]
② 歯科衛生士(看護師)対象研修:テーマ1間接訓練117人参加[2回],テーマ2直接訓練117人参加[2回],テーマ3観察ポイント115人参加[2回],テーマ4食事支援・介助188人参加[3回]
③ DHPキャンプ(テーマ1~4を2日間コースで開催): 38人参加[2回]
(②,③参加者のうち全テーマ修了した86人を嚥下トレーナーとして認定)
④ 嚥下トレーナー対象アドバンスコース:テーマ1認知症・薬剤性嚥下障害52人参加[2回],テーマ2胸部・頸部聴診40人参加[2回],テーマ3血液検査・脳血管障害59人参加[3回](全テーマ修了した71人を嚥下トレーナーアドバンスとして認定)
⑤ 嚥下トレーナー・歯科医師対象Web研修会:呼吸器疾患60人参加[1回],薬剤58人参加[1回],嚥下関連手術26人参加[1回]
⑥ 嚥下トレーナー・歯科医師対象Web症例検討:312人参加[19回]
歯科医師・歯科衛生士に向けた体系立てた嚥下研修プログラムは全国的にも少なく,開始以来約20年が経つが研修プログラムを見直しつつ継続して事業を行えている。コロナ禍のため一時的に実地開催を見合わせたが,その間は修了・認定者向けのオンライン研修会や症例検討を開催することで事業を継続することができた。コロナ禍明けは久しぶりの開催となり参加者が減少するかと思われたが以前と同様の申し込み状況であり,歯科における摂食嚥下診療の底上げの一翼を担っているものと考える。今後も引き続き開催を継続していく予定である。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)