講演情報
[摂食更新P-06]歯科標榜のない一般病院におけるのみこみ相談窓口の開設・診療と摂食嚥下プチナースの養成・指導の取り組み
○鰕原 賀子1 (1. 日本歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科)
【目的】摂食嚥下機能の精密検査を実施可能な病院であっても,歯科標榜がないか歯科医師の関与がない場合には,摂食嚥下障害の診査診断に歯科的観点を欠く可能性があると思われる。演者は摂食機能療法専門歯科医師(以下,専門歯科医師)として,歯科標榜のない一般病院(以下,H病院)においてのみこみ相談窓口の開設・診療と摂食嚥下プチナースの養成・指導を行ったので報告する。
【方法】演者はH病院の医師,看護師,言語聴覚士,管理栄養士らと連携し1年間の構想・準備期間を経てのみこみ相談窓口の開設を支援した。これと並行し,摂食嚥下障害を有する入院患者に対して摂食機能療法を実施する病棟看護師を「摂食嚥下プチナース」(以下,プチナース)と称し,講義と実習によって養成を行った。また,言語聴覚士や養成課程修了後のプチナースらと共に週1回のプチナース回診を開始した。
【結果と考察】のみこみ相談窓口は2019年12月に開設し,2024年12月までにのべ46症例の診療を行った。摂食嚥下機能の精密検査への立ち合いのみならず,歯科的問題の抽出を目的として,実施可能な症例に対しては口腔機能評価を併せて行っている。また,2症例は短期入院にて受け入れ,入院下での摂食嚥下機能評価と摂食嚥下リハビリテーションを提供してきた。プチナースは6年間で38名を養成した。プチナース回診では摂食機能療法の適応症例として抽出された患者の口腔の評価を行い,口腔衛生に関する指導を継続している。また,プチナースによる摂食嚥下リハビリテーションの介入計画の立案に際して助言し,入院患者に対する摂食機能療法の実施を支援している。歯科標榜のない一般病院において,摂食嚥下障害患者の診療やプチナースの養成に専門歯科医師として関与することで,歯科的観点を交えた診療・リハビリテーションの提供が実現でき,患者・スタッフ双方に貢献できたと考える。一方で,歯科治療を要する患者が直接的に歯科受診につながりにくいことや,摂食嚥下リハビリテーション介入症例において,未だに口腔衛生管理が不十分な症例が散見されることが今後の課題である。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
【方法】演者はH病院の医師,看護師,言語聴覚士,管理栄養士らと連携し1年間の構想・準備期間を経てのみこみ相談窓口の開設を支援した。これと並行し,摂食嚥下障害を有する入院患者に対して摂食機能療法を実施する病棟看護師を「摂食嚥下プチナース」(以下,プチナース)と称し,講義と実習によって養成を行った。また,言語聴覚士や養成課程修了後のプチナースらと共に週1回のプチナース回診を開始した。
【結果と考察】のみこみ相談窓口は2019年12月に開設し,2024年12月までにのべ46症例の診療を行った。摂食嚥下機能の精密検査への立ち合いのみならず,歯科的問題の抽出を目的として,実施可能な症例に対しては口腔機能評価を併せて行っている。また,2症例は短期入院にて受け入れ,入院下での摂食嚥下機能評価と摂食嚥下リハビリテーションを提供してきた。プチナースは6年間で38名を養成した。プチナース回診では摂食機能療法の適応症例として抽出された患者の口腔の評価を行い,口腔衛生に関する指導を継続している。また,プチナースによる摂食嚥下リハビリテーションの介入計画の立案に際して助言し,入院患者に対する摂食機能療法の実施を支援している。歯科標榜のない一般病院において,摂食嚥下障害患者の診療やプチナースの養成に専門歯科医師として関与することで,歯科的観点を交えた診療・リハビリテーションの提供が実現でき,患者・スタッフ双方に貢献できたと考える。一方で,歯科治療を要する患者が直接的に歯科受診につながりにくいことや,摂食嚥下リハビリテーション介入症例において,未だに口腔衛生管理が不十分な症例が散見されることが今後の課題である。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)