講演情報
[O-2-11]長期通院を行った独居認知症患者へのかかりつけ歯科医の対応ー多職種連携を通じた生活支援の一例ー
○光吉 平1、上西 加奈子1、村西 加寿美1、玄 景華2 (1. 医療法人セント・パウロ 光吉歯科医院、2. 朝日大学歯学部障害者歯科)
【緒言・目的】
超高齢社会を迎えた現在,歯科医療の現場でも,患者の生活状況や健康状態の異変に気づき,適切な支援に繋げることが求められている。本発表では,独居認知症患者の生活支援におけるかかりつけ歯科医の役割と多職種連携の重要性について,一例を通して報告する。
【症例および経過】
患者は88歳,女性,独居,初診平成6年より外来通院し口腔健康管理を行っていたが,徐々に予約の失念や清掃不良が目立つようになり,診療時の受け答えにも変化がみられた。歯科医師が近隣の社会福祉士に連絡をとり,歯科衛生士が患者に同行して社会福祉協議会に案内した。これにより患者が適切な福祉サービスに繋がるきっかけを作ることができた。その結果,地域包括支援センターや民生委員とも連携し,歯科受診の助けとなり一定の改善は得られた。しかし,自宅でのセルフケア維持には限界があった。
なお,本発表にあたっては文書により代諾者から同意を得ている。
【考察】
かかりつけ歯科医として患者の生活の異変に気づき,社会福祉士や民生委員との連携を通じて生活支援に繋げたことで,患者のQOLの向上が図られた。長年の通院歴により患者の異変を察知できたことは地域に密着した開業医として果たせる役割の一つである。また多職種連携により医療と福祉を結びつける「窓口」として歯科医療の役割が明確となった。今後,訪問診療の導入により口腔ケアを強化するなど,より包括な支援が必要と考える。一方で患者の義歯管理能力の低下への対応などが課題として残る。
超高齢社会においてかかりつけ歯科医が果たす役割の拡大と地域包括ケアシステムへの連携が重要である。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
超高齢社会を迎えた現在,歯科医療の現場でも,患者の生活状況や健康状態の異変に気づき,適切な支援に繋げることが求められている。本発表では,独居認知症患者の生活支援におけるかかりつけ歯科医の役割と多職種連携の重要性について,一例を通して報告する。
【症例および経過】
患者は88歳,女性,独居,初診平成6年より外来通院し口腔健康管理を行っていたが,徐々に予約の失念や清掃不良が目立つようになり,診療時の受け答えにも変化がみられた。歯科医師が近隣の社会福祉士に連絡をとり,歯科衛生士が患者に同行して社会福祉協議会に案内した。これにより患者が適切な福祉サービスに繋がるきっかけを作ることができた。その結果,地域包括支援センターや民生委員とも連携し,歯科受診の助けとなり一定の改善は得られた。しかし,自宅でのセルフケア維持には限界があった。
なお,本発表にあたっては文書により代諾者から同意を得ている。
【考察】
かかりつけ歯科医として患者の生活の異変に気づき,社会福祉士や民生委員との連携を通じて生活支援に繋げたことで,患者のQOLの向上が図られた。長年の通院歴により患者の異変を察知できたことは地域に密着した開業医として果たせる役割の一つである。また多職種連携により医療と福祉を結びつける「窓口」として歯科医療の役割が明確となった。今後,訪問診療の導入により口腔ケアを強化するなど,より包括な支援が必要と考える。一方で患者の義歯管理能力の低下への対応などが課題として残る。
超高齢社会においてかかりつけ歯科医が果たす役割の拡大と地域包括ケアシステムへの連携が重要である。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)