講演情報
[O-3-10]新規JMS咬合力計とデンタルプレスケールⅡの相関に関する検討
○武藤 祐太朗1、武内 聡子1、阿部 裕里乃1、石田 知沙都1、和田 智里1、吉備 皓太郎1、平野 珠希1、木村 綾花1、岡田 佳恵1、豆野 智昭1、和田 誠大1、池邉 一典1 (1. 大阪大学大学院歯学研究科 有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座)
【目的】
近年,小型で臨床応用が容易である新規咬合力計(JMS咬合力計(OBM-01プロトタイプ), JMS社,広島)が開発された。本咬合力計は,即時に結果を確認できることから,幅広い応用が期待される。本研究では,JMS咬合力計を用いて,両側第一大臼歯部で測定した最大咬合力(以下,JMS-MOF)と感圧シート(PrescaleⅡ,ジーシー社,東京)を用いた最大咬合力(以下,DP-MOF)の相関を検討し,口腔機能低下症の診断に利用できるカットオフ値を求めることとした。
【方法】
本研究は,50歳以上の地域住民を対象とした。評価項目は,年齢,性別,残存歯数,JMS-MOF(左右第一大臼歯部の合計値),DP-MOF(圧力フィルタ機能による自動クリーニングあり)とした。なお,第一大臼歯部が可撤性義歯である場合は,人工歯部で最大咬合力を測定し,大臼歯部が欠損し,かつ補綴歯科治療されていない場合は,対象から除外した。JMS咬合力計による咬合力測定では,事前に測定信頼性の検証を行い,信頼性が得られていることを確認した。統計解析は,Spearmanの順位相関係数を用いて,残存歯数とJMS-MOFあるいはDP-MOF,およびJMS-MOFとDP-MOFの相関関係を確認した。加えて,口腔機能低下症の診断において,DP-MOFの咬合力低下の基準である350Nに対するJMS-MOFのカットオフ値算出のため,ROC曲線を描出し,AUCを算出した。
【結果と考察】
対象者は199名(男性68名,女性131名,平均年齢76.4歳)であった。JMS-MOFおよびDP-MOFともに,残存歯数との間に有意な相関(相関係数は,それぞれ0.71,0.65)を認めた。また,JMS-MOFとDP-MOFとの間に有意な相関(相関係数0.76)が認められた。ROC曲線によるAUCを算出した結果,JMS-MOFによる咬合力低下の基準は,384.0N (AUC; 0.89, 95%CI; 0.82-0.94)とすることが妥当であることが示された。本研究より,新規JMS咬合力計は,現在利用されている感圧シートによる咬合力測定との間に強い相関性があり,また,口腔機能低下症の診断に利用できる可能性が示された。
(COI開示:なし)
(大阪大学大学院歯学研究科・歯学部及び歯学部附属病院倫理審査委員会承認番号R4-E7)
近年,小型で臨床応用が容易である新規咬合力計(JMS咬合力計(OBM-01プロトタイプ), JMS社,広島)が開発された。本咬合力計は,即時に結果を確認できることから,幅広い応用が期待される。本研究では,JMS咬合力計を用いて,両側第一大臼歯部で測定した最大咬合力(以下,JMS-MOF)と感圧シート(PrescaleⅡ,ジーシー社,東京)を用いた最大咬合力(以下,DP-MOF)の相関を検討し,口腔機能低下症の診断に利用できるカットオフ値を求めることとした。
【方法】
本研究は,50歳以上の地域住民を対象とした。評価項目は,年齢,性別,残存歯数,JMS-MOF(左右第一大臼歯部の合計値),DP-MOF(圧力フィルタ機能による自動クリーニングあり)とした。なお,第一大臼歯部が可撤性義歯である場合は,人工歯部で最大咬合力を測定し,大臼歯部が欠損し,かつ補綴歯科治療されていない場合は,対象から除外した。JMS咬合力計による咬合力測定では,事前に測定信頼性の検証を行い,信頼性が得られていることを確認した。統計解析は,Spearmanの順位相関係数を用いて,残存歯数とJMS-MOFあるいはDP-MOF,およびJMS-MOFとDP-MOFの相関関係を確認した。加えて,口腔機能低下症の診断において,DP-MOFの咬合力低下の基準である350Nに対するJMS-MOFのカットオフ値算出のため,ROC曲線を描出し,AUCを算出した。
【結果と考察】
対象者は199名(男性68名,女性131名,平均年齢76.4歳)であった。JMS-MOFおよびDP-MOFともに,残存歯数との間に有意な相関(相関係数は,それぞれ0.71,0.65)を認めた。また,JMS-MOFとDP-MOFとの間に有意な相関(相関係数0.76)が認められた。ROC曲線によるAUCを算出した結果,JMS-MOFによる咬合力低下の基準は,384.0N (AUC; 0.89, 95%CI; 0.82-0.94)とすることが妥当であることが示された。本研究より,新規JMS咬合力計は,現在利用されている感圧シートによる咬合力測定との間に強い相関性があり,また,口腔機能低下症の診断に利用できる可能性が示された。
(COI開示:なし)
(大阪大学大学院歯学研究科・歯学部及び歯学部附属病院倫理審査委員会承認番号R4-E7)