講演情報
[O-3-13]高齢者における歯科用骨形態評価プログラムを使用した骨粗鬆症リスクの評価
○大槻 榮人1、川上 哲司1、大槻 麻1、藤田 宏人1、川村 一喜2、大槻 浩一1 (1. 医療法人社団おおつき会大槻歯科医院、2. かわむら歯科)
【目的】
歯科パノラマエックス線写真の歯科用骨形態評価プログラムを使用し,高齢者の骨粗鬆症リスクの評価を行ったのでその概要を報告する。
【方法】
歯科用骨形態解析システム(PanoSCOPE:メディア社)は,下顎骨の皮質骨の粗鬆化に関わる指標である下顎骨皮質骨指数(mandibular cortical index,以下MCI)と下顎骨下縁の皮質骨の厚み(mandibular cortical width,以下MCW)から骨粗鬆症のリスクを判定することが可能である。下顎骨の形態異常が認められない場合は「低い」,やや骨粗鬆症の疑いが見られるときは「やや高い」,骨粗鬆症が強く疑われるときは「高い」の3段階に評価した。MCIは,両側皮質骨の内側表面がスムーズ(I型),皮質骨の内側表面は不規則となり内側近傍の皮質骨内部に線状の吸収が認められる(II型),皮質骨全体にわたり高度な線状の吸収と皮質骨の断裂が認められる(III型)の3分類した。MCWの計測部位はオトガイ孔下であり,骨粗鬆症の疑いありと判定される基準値は2.6mm未満であり,評価は両側を判定し悪い方の判定を用いた。MCMI(mandibular cortex morphology index,以下MCMI)は,コンピュータにて収集された皮質骨形態に関する画像工学的な特徴量から計算したものであり,35以上64 以下の場合は骨粗鬆症の疑いは「やや高い」,65以上の場合は「高い」と評価した。
【結果と考察】
当院を受診した65歳以上の患者412例(男性175例・女性237例)を対象とした。その中で,骨粗鬆症薬を使用していた患者は40例(男性5例・女性35例)であった。骨粗鬆症のリスクが高い患者は最も多く197例(47.8%)であり,やや高い患者は,184例(44.7%),低い患者は,31例(7.5%)であった。そして,骨粗鬆症薬使用患者の77.5%にリスクが高い患者が認められた。また,MCIでⅠ型31例(7.5%),Ⅱ型185例(44.9%),Ⅲ型196例(47.6%)であり,なかでも,骨粗鬆症薬使用患者はⅢ型が67.5%を占めていた。MCWは,超高齢者で基準値2.6mm未満の患者が75%を占めていた。
【結語】
歯科用骨形態評価プログラムを使用した骨粗鬆症リスクの評価は,有用であると考えられた。
COI開示:なし
倫理審査対象外
歯科パノラマエックス線写真の歯科用骨形態評価プログラムを使用し,高齢者の骨粗鬆症リスクの評価を行ったのでその概要を報告する。
【方法】
歯科用骨形態解析システム(PanoSCOPE:メディア社)は,下顎骨の皮質骨の粗鬆化に関わる指標である下顎骨皮質骨指数(mandibular cortical index,以下MCI)と下顎骨下縁の皮質骨の厚み(mandibular cortical width,以下MCW)から骨粗鬆症のリスクを判定することが可能である。下顎骨の形態異常が認められない場合は「低い」,やや骨粗鬆症の疑いが見られるときは「やや高い」,骨粗鬆症が強く疑われるときは「高い」の3段階に評価した。MCIは,両側皮質骨の内側表面がスムーズ(I型),皮質骨の内側表面は不規則となり内側近傍の皮質骨内部に線状の吸収が認められる(II型),皮質骨全体にわたり高度な線状の吸収と皮質骨の断裂が認められる(III型)の3分類した。MCWの計測部位はオトガイ孔下であり,骨粗鬆症の疑いありと判定される基準値は2.6mm未満であり,評価は両側を判定し悪い方の判定を用いた。MCMI(mandibular cortex morphology index,以下MCMI)は,コンピュータにて収集された皮質骨形態に関する画像工学的な特徴量から計算したものであり,35以上64 以下の場合は骨粗鬆症の疑いは「やや高い」,65以上の場合は「高い」と評価した。
【結果と考察】
当院を受診した65歳以上の患者412例(男性175例・女性237例)を対象とした。その中で,骨粗鬆症薬を使用していた患者は40例(男性5例・女性35例)であった。骨粗鬆症のリスクが高い患者は最も多く197例(47.8%)であり,やや高い患者は,184例(44.7%),低い患者は,31例(7.5%)であった。そして,骨粗鬆症薬使用患者の77.5%にリスクが高い患者が認められた。また,MCIでⅠ型31例(7.5%),Ⅱ型185例(44.9%),Ⅲ型196例(47.6%)であり,なかでも,骨粗鬆症薬使用患者はⅢ型が67.5%を占めていた。MCWは,超高齢者で基準値2.6mm未満の患者が75%を占めていた。
【結語】
歯科用骨形態評価プログラムを使用した骨粗鬆症リスクの評価は,有用であると考えられた。
COI開示:なし
倫理審査対象外