講演情報
[O-3-14]“ルーペ型カメラシステム”の構築と歯科におけるICT活用の可能性
○玉置 勝司1、永田 吉男2、田添 将之3 (1. 神奈川歯科大学、2. (株) キーラ―・アンド・ワイナー、3. (株)ザクティ)
【目的】
歯科領域においてルーペとカメラを用いたICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)1)活用に関する報告は未だなく,歯科におけるICTの重要課題の1つである.メガネフレームに設置された歯科用ルーペを使用し,軽量・小型なウェアラブルカメラでリアルタイムの映像と音声が得られるシステムとして構築する有効性は非常に高いと考えられる.今回,このようなシステムの構築を行い、それを用いた歯科におけるICT活用の可能性について検討する.本研究は倫理審査対象外である.
【方法】
1.ルーペ型カメラシステムの構築
(1)歯科用ルーペ(通常ルーペ,偏向ルーペ,Keeler & Y.Na Ltd.,東京)
(2)ウェアラブルカメラシステム(Xacti LIVE,CX-WL100,ザクティ,大阪),(マイクロレンズカスタマイズ版)
(3)額帯灯(マエストロ LEDライト、SurgiMag,韓国)
(4)映像と音声の共有システム(Xacti Booster Package”XBP”,ザクティ,大阪)
2.歯科におけるICT活用に向けた検討
(1)カメラシステム:使用したカメラは術者視線と同じの映像記録ができる.またカメラは“ブレ補正”,“水平維持”の機能がある.カメラレンズは“マイクロレンズ”へのカスタマイズ対応により,解像度の高い映像が得られる.
(2)歯科用ルーペ:通常ルーペから“偏向ルーペ”への変更により,術者の視線方向を変更することができる.
(3) 映像と音声の共有システムの使用により、現場の映像と音声を遠隔地で共有し,双方向のコミュニケーション(ICT)の意義を検討した.
【結果と考察】ルーペ型カメラシステムの構築と歯科におけるICT活用を検討した結果、
1.本システムの総重量は120g(メガネフレーム・ルーペ:53g,額帯灯:31g、カメラシステム(アダプター含):36g)で,頭部にかかる負担は非常に少なかった.
2.カメラシステムにより、口腔内(マイクロレンズ使用)から顔貌,全身まで高解像の映像を得ることができた.
3.偏向ルーペの使用により,術者の視線方向が被写体から頭部がアップライトするため頭頸部の姿勢維持ができた.
4.本システムとスマホの連携活用により,現場と遠隔地の映像共有システムで双方向コミュニケーションが可能で,ICTツールとしての可能性が示唆された.
具体的なICT活用の可能性として,(1)一般歯科診療の現場(歯科医師と歯科技工士),(2)訪問歯科診療の現場(専門医との情報共有),(3)臨床教育の現場(術者視線映像と音声の遠隔地教育)などに有効と考えられた.
【参考文献】
1) 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」について. ICTを活用した歯科診療等について.第2回ICTを活用した歯科診療等に関する検討会.資料1.厚生労働省,2023.11.6.
歯科領域においてルーペとカメラを用いたICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)1)活用に関する報告は未だなく,歯科におけるICTの重要課題の1つである.メガネフレームに設置された歯科用ルーペを使用し,軽量・小型なウェアラブルカメラでリアルタイムの映像と音声が得られるシステムとして構築する有効性は非常に高いと考えられる.今回,このようなシステムの構築を行い、それを用いた歯科におけるICT活用の可能性について検討する.本研究は倫理審査対象外である.
【方法】
1.ルーペ型カメラシステムの構築
(1)歯科用ルーペ(通常ルーペ,偏向ルーペ,Keeler & Y.Na Ltd.,東京)
(2)ウェアラブルカメラシステム(Xacti LIVE,CX-WL100,ザクティ,大阪),(マイクロレンズカスタマイズ版)
(3)額帯灯(マエストロ LEDライト、SurgiMag,韓国)
(4)映像と音声の共有システム(Xacti Booster Package”XBP”,ザクティ,大阪)
2.歯科におけるICT活用に向けた検討
(1)カメラシステム:使用したカメラは術者視線と同じの映像記録ができる.またカメラは“ブレ補正”,“水平維持”の機能がある.カメラレンズは“マイクロレンズ”へのカスタマイズ対応により,解像度の高い映像が得られる.
(2)歯科用ルーペ:通常ルーペから“偏向ルーペ”への変更により,術者の視線方向を変更することができる.
(3) 映像と音声の共有システムの使用により、現場の映像と音声を遠隔地で共有し,双方向のコミュニケーション(ICT)の意義を検討した.
【結果と考察】ルーペ型カメラシステムの構築と歯科におけるICT活用を検討した結果、
1.本システムの総重量は120g(メガネフレーム・ルーペ:53g,額帯灯:31g、カメラシステム(アダプター含):36g)で,頭部にかかる負担は非常に少なかった.
2.カメラシステムにより、口腔内(マイクロレンズ使用)から顔貌,全身まで高解像の映像を得ることができた.
3.偏向ルーペの使用により,術者の視線方向が被写体から頭部がアップライトするため頭頸部の姿勢維持ができた.
4.本システムとスマホの連携活用により,現場と遠隔地の映像共有システムで双方向コミュニケーションが可能で,ICTツールとしての可能性が示唆された.
具体的なICT活用の可能性として,(1)一般歯科診療の現場(歯科医師と歯科技工士),(2)訪問歯科診療の現場(専門医との情報共有),(3)臨床教育の現場(術者視線映像と音声の遠隔地教育)などに有効と考えられた.
【参考文献】
1) 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」について. ICTを活用した歯科診療等について.第2回ICTを活用した歯科診療等に関する検討会.資料1.厚生労働省,2023.11.6.