講演情報

[O-3-20]義歯装着の有無が新規咬合力計の結果に及ぼす影響

○丸山 詩央1、吉川 峰加1、髙橋 優太朗1、野田 健史郎1、丸山 真理子3、春田 梓1、竹内 真帆3、香川 和子2、横井 美有希4、山澄 尚太5、續木 アナスタシア5、小瀬木 美香5、森 由香里5、櫻井 薫5、小林 健一郎5、吉田 光由4、津賀 一弘1 (1. 広島大学大学院医系科学研究科先端歯科補綴学、2. 広島大学病院咬合・義歯診療科、3. 広島大学病院口腔インプラント診療科、4. 藤田医科大学医学部歯科口腔外科学講座、5. こばやし歯科クリニック)
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【目的】 JMS咬合力計(OBM-01プロトタイプ,ジェイ・エム・エス,広島)は,片側で物体を咬み潰す際の咬合力を簡便に測定するために開発された。本研究では,義歯装着の有無という口腔環境の違いが, GCデンタルプレスケールⅡ(DPⅡ,ジーシー,東京)と同様にOBM-01プロトタイプにおける咬合力に対しても影響を及ぼすか否かを明らかにすることを目的とした。【方法】 京都先端科学大学における高齢者を対象とした調査または新規咬合力計の基準値に関する研究への協力が得られた自立して生活を送る高齢者を対象とした。年齢,性別,歯式,最大咬合力として,OBM‐01プロトタイプを用いた習慣性咀嚼測の咬合力とDPⅡを用いた総合咬合力を評価項目とした。 正規性の検定(Shapiro-Wilk検定),Mann-Whitney U検定およびSpearmanの順位相関係数の統計学的検討にSPSS Ver. 28.0(IBM Corp., USA)を用いた。【結果と考察】   義歯装着(D)群は134名(男性27名,81歳,女性107名,80歳),義歯非装着(ND)群は209名(男性30名,78.5歳,女性179名,76歳)であった。 OBM-01プロトタイプの咬合力は,D群で男性295.0 N,女性195.0 Nであった一方,ND群は男性で562.5 N,女性で484.0 Nだった。DPⅡの総合咬合力は,D群において男性708.0 N,女性443.7 Nだった一方,ND群では男性1321.1 N,女性818.6 Nとなった。(すべて中央値で表記)ND群と比べてD群の方が,男性より女性の方が各機器において低値を示した(P<0.05)。義歯の有無に関わらずOBM-01プロトタイプとDPⅡで有意な相関関係を認めた(P<0.05)。OBM-01プロトタイプを使用する際,咬合させる部分へ確実に第一大臼歯が設置できない場面もあり,咬合部位の設置に関するさらなる検討を行う。(COI開示:なし)(京都先端科学大学倫理委員会#24M02,広島大学疫学研究倫理審査委員会E2023-0302)