講演情報
[SY6-3]歯科はオンライン診療をどう活用するのか
○菊谷 武1 (1. 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 教授、院長)
【略歴】
1988年 日本歯科大学歯学部卒業
2001年10月より 附属病院 口腔介護・リハビリテーションセンター センター長
2005年4月より 助教授
2010年4月 教授
2012年1月 東京医科大学兼任教授
2012年10月 口腔リハビリテーション多摩クリニック 院長
日本老年歯科医学会 副理事長 、日本口腔リハビリテーション学会 理事長、日本摂食嚥下リハビリテーション学会 理事、日本障害者歯科学会 評議員
1988年 日本歯科大学歯学部卒業
2001年10月より 附属病院 口腔介護・リハビリテーションセンター センター長
2005年4月より 助教授
2010年4月 教授
2012年1月 東京医科大学兼任教授
2012年10月 口腔リハビリテーション多摩クリニック 院長
日本老年歯科医学会 副理事長 、日本口腔リハビリテーション学会 理事長、日本摂食嚥下リハビリテーション学会 理事、日本障害者歯科学会 評議員
令和2年4月、新型コロナウイルス感染症の拡大に際し、医療機関の受診が困難になったことを受けて、「歯科診療における新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」が発出され、電話や情報通信機器を用いた歯科診療をして差し支えないこととされた。一方で、オンライン診療は、この時限的、特例的な取り扱いにとどまらず、日常臨床に積極的に活用することで現在の日本における社会的課題を解決する糸口にもなる可能性がある。今後も中山間地域の歯科医療機関が大幅に減少することが予想され、多くの住民が歯科医療を十分に受けられなくなる可能性が出てきている。さらに、公共交通サービスの縮小や免許返納問題などによって長距離を通院できる患者の減少も見込まれ、結果、特に中山間地域においては、歯科受診ができない患者が大量に発生することが予想される。本課題においても、ICTを用いたオンライン診療は大きな解決法の一つになりうると考える。そしてこの解決法はそのまま災害時の緊急対応へと通じるものである。また、オンライン診療には、様々な形態が考えられる。患者側に医療従事者の同席のない歯科医師と患者間で行われるDentist to Patient。患者側にかかりつけの歯科医師等の歯科医師が同席し、遠隔地にいる歯科医師とともに歯科診療を行う形態であるDentist to Patient with Dentist。患者側に歯科衛生士が同席し、遠隔地にいる歯科医師とともに歯科診療を行う形態であるDentist to Patient with Dental hygienist。患者側に看護師等の医療従事者が同席し、遠隔地にいる歯科医師とともに歯科診療を行う形態であるDentist to Patient with その他医療従事者。患者側に医療である従事者以外のオンライン診療支援者が同席し、遠隔地にいる歯科医師が、歯科診療を行う形態であるDentist to Patient with オンライン診療支援者(医療従事者以外)。医師が訪問診療等を行う際に、遠隔地にいる歯科医師が情報通信機器を活用し、医師と連携して歯科診療を行う形態であるDentist to Patient with Doctor などである。人口構成の変化や歯科疾患の罹患状況の変化、医療や介護等における歯科保健医療に対するニーズの多様化等により、歯科保健医療を取り巻く状況が大きく変化している。これらの状況に対応するすべての国民が必要な医療が受けることができるように、オンライン診療という手段は、入院、外来、訪問診療に加えたもう一つの診療形態として期待される。