講演情報
[優秀P地域-5]総義歯患者における口腔機能訓練と管理栄養士介入の有用性
○押村 憲昭1,2、多田 瑛1、水谷 早貴1、天埜 皓太1、大塩 茉菜1、谷口 裕重1 (1. 朝日大学歯学部 摂食嚥下リハビリテーション学分野、2. かすもり・おしむら歯科・矯正歯科・口腔機能クリニック)
【目的】総義歯患者において、義歯装着後の訓練および栄養指導が口腔機能、食の多様性、栄養状態に及ぼす影響を検討することを目的とした。【方法】歯科診療所において総義歯を作製した患者100名を対象に、義歯装着後に訓練および栄養指導を実施した介入群(50名:男性24名,平均年齢70.3±20歳)と非介入群(50名:男性30名,平均年齢73.44±20)に対して以下の評価を実施した。介入群:総義歯装着後、口腔機能訓練を実施し、管理栄養士による「食べられるもの」に関するヒアリングおよび個別の栄養指導を実施した群。非介入群:総義歯装着後、患者より訓練や栄養指導の希望がなかったため経過観察のみとした群。評価項目口腔機能精密検査食の多様性(山本式咀嚼表:摂取可能な食品の種類やバリエーション)MNA-SF解析は総義歯装着前後の各評価項目をウィルコクソンの符号付き順位和検定を用いて比較した。(朝日大学病院倫理審査会承認番号32036)【結果】非介入群では総義歯装着前後で全ての項目に差がみられなかった一方で、介入群では舌圧(21.4kpa→29.3kpa)、咀嚼機能(92.3mg/dl→132.2mg/dl)が上昇していた。食のバリエーションを5段階で評価したところ、介入群では上昇を認め(3.1→5.2)、MNA-SFは減少した(10.2→12.3)。【結果
考察】従来の補綴治療のみでは栄養・食の双方を改善することが困難なことも多いため、口腔機能訓練と管理栄養士の介入を併用することが必要であると考える。本結果によって義歯装着後の口腔機能訓練および管理栄養士による栄養指導が総義歯患者の口腔機能や食の多様性の改善に寄与し、低栄養予防に効果的であることが示唆された。口腔機能評価に関しては多くの歯科医院でも取り組みが始まっているがその評価の先には常に栄養があり、現在は評価項目にはない低栄養のスクリーニング・並びに食事の嗜好や栄養の状態を把握する事が必要であり、その知識が豊富な管理栄養士と院内でも連携するする事が非常に重要であると考える。(COI開示:なし)
朝日大学病院倫理審査委員会32036
考察】従来の補綴治療のみでは栄養・食の双方を改善することが困難なことも多いため、口腔機能訓練と管理栄養士の介入を併用することが必要であると考える。本結果によって義歯装着後の口腔機能訓練および管理栄養士による栄養指導が総義歯患者の口腔機能や食の多様性の改善に寄与し、低栄養予防に効果的であることが示唆された。口腔機能評価に関しては多くの歯科医院でも取り組みが始まっているがその評価の先には常に栄養があり、現在は評価項目にはない低栄養のスクリーニング・並びに食事の嗜好や栄養の状態を把握する事が必要であり、その知識が豊富な管理栄養士と院内でも連携するする事が非常に重要であると考える。(COI開示:なし)
朝日大学病院倫理審査委員会32036