講演情報
[優秀P一般-3]歯科訪問診療患者に適したQOL尺度の作成と妥当性の検討
○青嶋 美紀1,2、佐藤 路子1,2、秋山 友香1,2、宇田川 望1,2、市川 陽子1,2、戸原 雄1,2、高橋 賢晃1,2、菊谷 武1,2 (1. 日本歯科大学 口腔リハビリテーション多摩クリニック、2. 日本歯科大学附属病院 口腔リハビリテーション科)
★〔研究〕の発表
【目的】
在宅療養が推進される中,治療方針決定や治療効果判定をする際は,生物学的指標より生活機能に即した指標が有用であり,患者の生活の質(Quality of life:QOL)の評価が重要であると考える。一方,歯科訪問診療患者に適したQOL評価表は存在せず,その開発が求められている。在宅療養者は認知機能が低下している者も多く,質問紙表による評価は困難である場合も多い。そこで,介護者の代理評価においても一致性の高いQOL評価表の作成が求められる。本研究では,歯科訪問診療患者に適したQOL尺度の作成と妥当性の検討を目的に行った。
【方法】
歯科訪問診療を実施している歯科医療関係者および多職種によるグループディスカッションにて質問文の選択を行った。後日,デルファイ法にて同意率上位80%に設定し,選択された78項目の質問文を10項目に絞り込みQOL評価表を作成した。この表を某クリニックに受診した65歳以上の患者129名に回答を依頼し, GOHAI:General Oral Health Assessment Index ,OHIP-14:Oral Health Impact Profileを併せて回答させた。介護者が来院した72名には,介護者にもQOL評価表の回答を依頼した。統計学的検討は,Spearman順位相関係数を用いた。
【結果と考察】
患者129名の平均年齢は80.1±11.4歳,男性73名,女性56名であり,介護者のいる患者の平均年齢は82.7±7.7歳であった。介護者内訳は配偶者が35名,子供が33名,その他親類と介護職員が各2名であった。全問回答した患者は,118名(91.4%)であり,GOHAI,OHIP-14の総得点とQOL評価表の総得点との間に有意な相関を認めた(r=0.631,r=0.495)。また,患者と介護者の回答との相関を検討したところ,総得点および口臭にかかわる項目以外の個々の質問において有意な関連を認めた。今回作成を試みたQOL評価表において,外的妥当性が認められ,介護者による代理評価の回答の一致性も見られたことから,本評価表は在宅療養高齢者に対する有用なQOL評価表となる可能性が示された。(COI開示:なし)(日本歯科大学 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2024-37)
【目的】
在宅療養が推進される中,治療方針決定や治療効果判定をする際は,生物学的指標より生活機能に即した指標が有用であり,患者の生活の質(Quality of life:QOL)の評価が重要であると考える。一方,歯科訪問診療患者に適したQOL評価表は存在せず,その開発が求められている。在宅療養者は認知機能が低下している者も多く,質問紙表による評価は困難である場合も多い。そこで,介護者の代理評価においても一致性の高いQOL評価表の作成が求められる。本研究では,歯科訪問診療患者に適したQOL尺度の作成と妥当性の検討を目的に行った。
【方法】
歯科訪問診療を実施している歯科医療関係者および多職種によるグループディスカッションにて質問文の選択を行った。後日,デルファイ法にて同意率上位80%に設定し,選択された78項目の質問文を10項目に絞り込みQOL評価表を作成した。この表を某クリニックに受診した65歳以上の患者129名に回答を依頼し, GOHAI:General Oral Health Assessment Index ,OHIP-14:Oral Health Impact Profileを併せて回答させた。介護者が来院した72名には,介護者にもQOL評価表の回答を依頼した。統計学的検討は,Spearman順位相関係数を用いた。
【結果と考察】
患者129名の平均年齢は80.1±11.4歳,男性73名,女性56名であり,介護者のいる患者の平均年齢は82.7±7.7歳であった。介護者内訳は配偶者が35名,子供が33名,その他親類と介護職員が各2名であった。全問回答した患者は,118名(91.4%)であり,GOHAI,OHIP-14の総得点とQOL評価表の総得点との間に有意な相関を認めた(r=0.631,r=0.495)。また,患者と介護者の回答との相関を検討したところ,総得点および口臭にかかわる項目以外の個々の質問において有意な関連を認めた。今回作成を試みたQOL評価表において,外的妥当性が認められ,介護者による代理評価の回答の一致性も見られたことから,本評価表は在宅療養高齢者に対する有用なQOL評価表となる可能性が示された。(COI開示:なし)(日本歯科大学 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2024-37)