講演情報
[認定P-2]抗精神病薬服用中の統合失調症患者における口腔機能低下に対応した一症例
○西村 佳央理1、柏﨑 晴彦2 (1. 九州大学病院 咬合補綴科、2. 九州大学病院 高齢者歯科・全身管理歯科)
【緒言・目的】
統合失調症は幻視や妄想といった症状を呈する。治療の中心として抗精神病薬が使用されるが副作用に錐体外路症状が出現することが多い。今回, 統合失調症患者の歯科治療を行い, 治療説明や原疾患に配慮した1例を経験したので報告する。
【症例および経過】
71歳, 女性。統合失調症, 胆嚢結石症の既往あり。食事困難を主訴に近医より新義歯製作依頼で当科紹介受診。使用中の義歯は抜歯後の増歯と義歯破損による修理を繰り返していた。服用薬は抗精神病薬, ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬, パーキンソン病治療薬らがあった。服薬に伴う座位耐久性の低下が見られた。口腔機能は, 口腔衛生状態レベル5, 舌圧32.8 kPa, 咀嚼機能20 mg/dL, 舌口唇運動機能/パ/4.6/タ/4.0/カ/4.8, 最大咬合力202.8 N, 口腔粘膜湿潤度26.1, EAT10は2点であった。7~┼~7欠損に起因する咀嚼障害および審美障害, 口腔機能低下症と診断した。義歯新製とともに清掃指導・発語訓練等の口腔機能管理を行った。これまで義歯清掃の習慣がなく本人は不安を感じていた。そこで患者の家族にも洗浄頻度や義歯用ブラシ等の使用法の説明を行った。錐体外路症状はパーキンソン病治療薬によってある程度改善されていたが, 姿勢保持の困難が残存しバランスよく噛めない症状が見られた。まずは発語訓練を通して口腔運動機能の安定を目指した。義歯装着3ヶ月後の口腔機能は口腔衛生状態不良レベル3, 咀嚼機能109 mg/dL, 最大咬合力526.4 N, 口腔粘膜湿潤度30.6が非該当となった。口腔機能訓練によってお粥しか摂取できなかった初診時に比べ,煮物等の摂取が可能となり食事の幅が広がった。今後は口腔機能に合わせた食事指導を行う。なお本報告の発表について患者と患者の代諾人から文書による同意を得ている。
【考察】
本症例は統合失調症に罹患していたが定期的に精神科へ受診し症状が安定していたため,治療がスムーズに進んだ。患者と一緒に機能改善を目指すことで信頼関係構築に繋がった。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)
統合失調症は幻視や妄想といった症状を呈する。治療の中心として抗精神病薬が使用されるが副作用に錐体外路症状が出現することが多い。今回, 統合失調症患者の歯科治療を行い, 治療説明や原疾患に配慮した1例を経験したので報告する。
【症例および経過】
71歳, 女性。統合失調症, 胆嚢結石症の既往あり。食事困難を主訴に近医より新義歯製作依頼で当科紹介受診。使用中の義歯は抜歯後の増歯と義歯破損による修理を繰り返していた。服用薬は抗精神病薬, ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬, パーキンソン病治療薬らがあった。服薬に伴う座位耐久性の低下が見られた。口腔機能は, 口腔衛生状態レベル5, 舌圧32.8 kPa, 咀嚼機能20 mg/dL, 舌口唇運動機能/パ/4.6/タ/4.0/カ/4.8, 最大咬合力202.8 N, 口腔粘膜湿潤度26.1, EAT10は2点であった。7~┼~7欠損に起因する咀嚼障害および審美障害, 口腔機能低下症と診断した。義歯新製とともに清掃指導・発語訓練等の口腔機能管理を行った。これまで義歯清掃の習慣がなく本人は不安を感じていた。そこで患者の家族にも洗浄頻度や義歯用ブラシ等の使用法の説明を行った。錐体外路症状はパーキンソン病治療薬によってある程度改善されていたが, 姿勢保持の困難が残存しバランスよく噛めない症状が見られた。まずは発語訓練を通して口腔運動機能の安定を目指した。義歯装着3ヶ月後の口腔機能は口腔衛生状態不良レベル3, 咀嚼機能109 mg/dL, 最大咬合力526.4 N, 口腔粘膜湿潤度30.6が非該当となった。口腔機能訓練によってお粥しか摂取できなかった初診時に比べ,煮物等の摂取が可能となり食事の幅が広がった。今後は口腔機能に合わせた食事指導を行う。なお本報告の発表について患者と患者の代諾人から文書による同意を得ている。
【考察】
本症例は統合失調症に罹患していたが定期的に精神科へ受診し症状が安定していたため,治療がスムーズに進んだ。患者と一緒に機能改善を目指すことで信頼関係構築に繋がった。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)
