講演情報
[認定P-12]誤嚥性肺炎を繰り返す胃瘻の患者に対し,歯科訪問診療の介入により肺炎の再発なく経口摂取で栄養確保が可能となった一例
○齋藤 靖人1、植田 耕一郎1 (1. 日本大学歯学部付属歯科病院 摂食機能療法学講座)
【緒言・目的】
誤嚥性肺炎は嚥下機能低下に加え,口腔衛生状態不良がリスク因子であると報告されている。本症例は嚥下機能の低下と口腔衛生状態の不良により誤嚥性肺炎を繰り返していた高齢者のため,病院看護師および家族への口腔衛生管理指導と,嚥下機能評価に基づく環境調整を目的に訪問歯科診療を行った。
【症例および経過】
誤嚥性肺炎のため急性期病院へ入院し,主治医依頼で介入を開始した(初診時,JCSⅠ-1,OHAT9点,FOIS3)。嚥下内視鏡検査(VE)の結果,明らかな誤嚥はないものの咽頭残留が顕著で,咽頭機能の低下を認めた。薄とろみ水分,ペースト食を継続して摂取可能と判断したが,嚥下機能の低下だけでなく口腔衛生管理が不十分であることが問題と考え,水分との交互嚥下を行うことと,病院看護師へ口腔衛生指導を実施した。リハビリ病院転院で介入が一時中断されたが,3か月後に自宅退院したことを契機に訪問診療を再開した。介入再開時に誤嚥性肺炎が疑われる状態であり,とろみ付与が不十分なことが原因の1つと考え,ケアマネジャーおよび家族にVE画像を共有し,とろみ付与と食事形態調整の必要性を再確認した。栄養面では1日1200kcalを目標とし,栄養補助食品を併用した。再介入4か月後に胃瘻を使用せず経口摂取のみで栄養確保が可能となり体重も増加した。現在も定期的に嚥下機能評価を行い,栄養管理と一般歯科処置を適宜実施している(OHAT4点)。 なお,本報告の発表について患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
本症例では,くも膜下出血後の後遺症により嚥下障害を呈し,口腔衛生状態不良も伴ったことで誤嚥性肺炎を繰り返していた。VE画像を共有して家族・ケアマネジャーがリスクを具体的に理解しとろみ付与や食事形態の遵守につながった点が重要である。また,歯科による継続的な口腔衛生管理が口腔内環境の改善に寄与し,誤嚥性肺炎の再発予防と経口摂取の安定に結び付いた可能性がある。急性期から生活期まで多職種と連携した,シームレスな介入が有用であると考えられる。 (COI開示:なし)(倫理審査対象外)
誤嚥性肺炎は嚥下機能低下に加え,口腔衛生状態不良がリスク因子であると報告されている。本症例は嚥下機能の低下と口腔衛生状態の不良により誤嚥性肺炎を繰り返していた高齢者のため,病院看護師および家族への口腔衛生管理指導と,嚥下機能評価に基づく環境調整を目的に訪問歯科診療を行った。
【症例および経過】
誤嚥性肺炎のため急性期病院へ入院し,主治医依頼で介入を開始した(初診時,JCSⅠ-1,OHAT9点,FOIS3)。嚥下内視鏡検査(VE)の結果,明らかな誤嚥はないものの咽頭残留が顕著で,咽頭機能の低下を認めた。薄とろみ水分,ペースト食を継続して摂取可能と判断したが,嚥下機能の低下だけでなく口腔衛生管理が不十分であることが問題と考え,水分との交互嚥下を行うことと,病院看護師へ口腔衛生指導を実施した。リハビリ病院転院で介入が一時中断されたが,3か月後に自宅退院したことを契機に訪問診療を再開した。介入再開時に誤嚥性肺炎が疑われる状態であり,とろみ付与が不十分なことが原因の1つと考え,ケアマネジャーおよび家族にVE画像を共有し,とろみ付与と食事形態調整の必要性を再確認した。栄養面では1日1200kcalを目標とし,栄養補助食品を併用した。再介入4か月後に胃瘻を使用せず経口摂取のみで栄養確保が可能となり体重も増加した。現在も定期的に嚥下機能評価を行い,栄養管理と一般歯科処置を適宜実施している(OHAT4点)。 なお,本報告の発表について患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
本症例では,くも膜下出血後の後遺症により嚥下障害を呈し,口腔衛生状態不良も伴ったことで誤嚥性肺炎を繰り返していた。VE画像を共有して家族・ケアマネジャーがリスクを具体的に理解しとろみ付与や食事形態の遵守につながった点が重要である。また,歯科による継続的な口腔衛生管理が口腔内環境の改善に寄与し,誤嚥性肺炎の再発予防と経口摂取の安定に結び付いた可能性がある。急性期から生活期まで多職種と連携した,シームレスな介入が有用であると考えられる。 (COI開示:なし)(倫理審査対象外)
