講演情報

[認定P-25]経口摂取困難と判断されたParkinson病患者に対し摂食嚥下リハビリテーションを実施した1例

○芳村 竜秀1、石田 瞭1 (1. 東京歯科大学水道橋病院摂食嚥下リハビリテーション科)
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【緒言・目的】
Parkinson病(PD)患者の摂食嚥下障害の有病率は約50%との報告がある(Alireza et al.)。また低栄養は摂食嚥下機能と関連する可能性がある(Abe et al.)。PDを基礎疾患とし,誤嚥性肺炎により経口摂取困難と判断され胃瘻造設となり,サービス付き高齢者向け住宅に入居中の症例を経験したので報告する。本人および家人の希望を踏まえ,体幹保持困難および誤嚥リスクに配慮し,経口摂取量と食形態のレベルアップを目的とした。
【症例および経過】
2024年10月誤嚥性肺炎により入院,経口摂取困難と判断され胃瘻造設となった。11月よりゼリー食を数口摂取していたが咳嗽を認めた。翌年4月歯科訪問初診,初診時体重33.5kg(BMI 13.4kg/m²),MUST≧2点,GLIM基準で重度低栄養と判定した(BMIの高度な減少,誤嚥性肺炎の既往,経口摂取困難)。車椅子座位は可能だが頸部伸展強く,RSST3回,喉頭挙上1横指程度であった。嚥下内視鏡検査実施し,咽頭への早期流入,咽頭収縮不全,咽頭残留,喉頭侵入を認めた。間接訓練,ヘッドレスト調整を行い,直接訓練として中等度トロミ水・ゼリー・ペーストの少量摂取を継続した。初診から2か月後,主治医および介護職員と調整し,食後見守りの下,週3日,1日1回ペースト食半量の提供を開始した。3か月後に全粥,4か月後おかずを極刻み食(あんかけ)へ変更,経口摂取量増加に合わせ,主治医により胃瘻注入量は減量となった,現在の栄養は胃瘻+経口摂取(週5回1日1食,全粥+刻み食1/2量)であり,自力摂取可能で体重は42.2kg(BMI 16.9kg/m²)まで増大している。本発表について患者本人と家人より文書による同意を得ている。
【考察】
本症例は重度低栄養状態を呈しており,摂食嚥下機能低下にはPD,低栄養と姿勢異常が複合的に関与していたと考える。PDでは嚥下反射遅延と喉頭挙上不全が特徴とされ,本症例でも咽頭期の障害を認めた。これらの所見に対して摂食嚥下訓練と姿勢調整を行い,誤嚥性肺炎を予防しつつ,定期的に再評価を行うことで,経口摂取量と食形態のレベルアップが可能となったと考える。PDは進行性疾患であり,全身機能の低下が懸念される。摂食嚥下機能と栄養状態のモニタリングが重要と考える。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)