講演情報
[認定P-26]脳血管障害後の重度嚥下障害に対し口腔衛生管理と摂食嚥下リハビリテーションで経口摂取を再開した症例
○竹之下 美穂1、大野 友久1 (1. 医療法人永寿会 陵北病院 歯科診療部)
【緒言・目的】
左変形性膝関節症術後の日常生活動作(ADL)低下に続き、左中大脳動脈領域脳梗塞により嚥下機能が著しく低下し経鼻経管栄養管理となった高齢患者で、経口摂取の再獲得と義歯の再使用が可能となった症例を経験したので報告する。
【症例および経過】
84歳女性、2型糖尿病、心不全、下肢閉塞性動脈硬化症等の既往歴・現病歴がある。左変形性膝関節症術後にADLが低下、一旦在宅復帰したが、2025年5月に食事摂取困難と意識低下で近医に救急搬送。左中大脳動脈領域の広範囲梗塞との診断、意識は徐々に改善したものの経口摂取困難と判断されていた。経鼻経管栄養が開始され、自宅退院は困難のため当院へ転院となった。当院入院時のJapan Coma ScaleはⅠ-2、障害高齢者の日常生活自立度はC-2、認知症高齢者の日常生活自立度はⅢa、BMIは21.4、Food intake LEVEL Scale:FILSは1、口腔機能評価では舌圧3.6kPa、ムーカス値24.2、Tongue Coating Indexは88%であった。まず歯科衛生士による口腔衛生管理を開始した。義歯は今回の入院をきっかけに不使用となっていた。言語聴覚士による間接訓練を継続し、その後歯科医師による嚥下造影検査(VF)を実施。ミキサー食(日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食コード2-2)および濃トロミ水を45°リクライニング位で試した際、嚥下反射惹起遅延はなく咽頭残留も軽度で、経口摂取可能と判断された(FILS5)。この結果から、経管栄養を併用しながら介助による昼食1回のミキサー食を開始し回数を漸増した。当院入院176日後には1日3回ミキサー食を経口摂取できるまでに改善した。舌圧は12.4、ムーカスは31.3に改善し、BMIは19.7、FILS7となった。義歯も再装着可能となった。本報告について患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
脳梗塞による嚥下障害患者に対し、まず口腔衛生管理を徹底したことが嚥下機能改善の基盤となったと考える。終末期に近い慢性期患者のためBMIの改善は得られなかったが、口腔機能や経口摂取状況は改善できた。VFに基づく安全な摂食条件設定により経口摂取を再開でき、口腔機能や摂食状況の改善につながったと考える。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)
左変形性膝関節症術後の日常生活動作(ADL)低下に続き、左中大脳動脈領域脳梗塞により嚥下機能が著しく低下し経鼻経管栄養管理となった高齢患者で、経口摂取の再獲得と義歯の再使用が可能となった症例を経験したので報告する。
【症例および経過】
84歳女性、2型糖尿病、心不全、下肢閉塞性動脈硬化症等の既往歴・現病歴がある。左変形性膝関節症術後にADLが低下、一旦在宅復帰したが、2025年5月に食事摂取困難と意識低下で近医に救急搬送。左中大脳動脈領域の広範囲梗塞との診断、意識は徐々に改善したものの経口摂取困難と判断されていた。経鼻経管栄養が開始され、自宅退院は困難のため当院へ転院となった。当院入院時のJapan Coma ScaleはⅠ-2、障害高齢者の日常生活自立度はC-2、認知症高齢者の日常生活自立度はⅢa、BMIは21.4、Food intake LEVEL Scale:FILSは1、口腔機能評価では舌圧3.6kPa、ムーカス値24.2、Tongue Coating Indexは88%であった。まず歯科衛生士による口腔衛生管理を開始した。義歯は今回の入院をきっかけに不使用となっていた。言語聴覚士による間接訓練を継続し、その後歯科医師による嚥下造影検査(VF)を実施。ミキサー食(日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食コード2-2)および濃トロミ水を45°リクライニング位で試した際、嚥下反射惹起遅延はなく咽頭残留も軽度で、経口摂取可能と判断された(FILS5)。この結果から、経管栄養を併用しながら介助による昼食1回のミキサー食を開始し回数を漸増した。当院入院176日後には1日3回ミキサー食を経口摂取できるまでに改善した。舌圧は12.4、ムーカスは31.3に改善し、BMIは19.7、FILS7となった。義歯も再装着可能となった。本報告について患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
脳梗塞による嚥下障害患者に対し、まず口腔衛生管理を徹底したことが嚥下機能改善の基盤となったと考える。終末期に近い慢性期患者のためBMIの改善は得られなかったが、口腔機能や経口摂取状況は改善できた。VFに基づく安全な摂食条件設定により経口摂取を再開でき、口腔機能や摂食状況の改善につながったと考える。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)
