講演情報
[認定P-34]Parkinson病と網膜色素変性症を有する患者に対して抜歯を行い、補綴治療を行った症例
○田上 理沙子1、古屋 純一2 (1. 昭和医科大学歯学部 口腔健康管理学講座 口腔機能管理学部門、2. 昭和医科大学大学院 歯学研究科 口腔機能管理学分野)
【緒言・目的】
Parkinson病と網膜色素変性症(全盲)の両疾患を併存する患者に対して補綴治療を行った報告は少ない。本症例では、Parkinson病に伴う手指巧緻性の低下に加え、網膜色素変性症による視覚障害を有しており、義歯の着脱や口腔衛生管理に困難が伴うことが予測された。これらの点に配慮し、補綴治療ならびに口腔衛生指導を行った結果、補綴治療前後で咬合力および咀嚼能力の改善やPCRの改善が認められた症例を経験したため報告する。
【症例および経過】
83歳女性。「歯が痛く食事が摂れない」を主訴に当院口腔外科から紹介され当科受診。既往歴は、Parkinson病(Yahr3)と網膜色素変性症(全盲)、盲腸であった。診察より、#13 44 43 42 41 31 32 に6mm以上の歯周ポケットを認め、パノラマX線写真においても重度骨吸収を認めた。また、#46 34 36 37の根尖部に透過像を認めた。以上より、#13 44 43 42 41 31 32を重度歯周炎、♯46 34 36 37根尖性歯周炎で予後不良歯と診断。予後不良歯の抜去後に、上下部分床義歯を製作した。初めての義歯装着であり、Parkinson病による手指巧緻性低下および全盲であることを考慮し、義歯の着脱操作性向上を目的として上下顎部分床義歯にハンドルを付与した。数回の義歯調整を行い、義歯の適合および咬合状態が安定したことを確認した後、メンテナンスへ移行した。その結果、咬合力・咀嚼能力の向上が認められた。また、歯科衛生士にTBIを指示し、電動歯ブラシの使用の指導および介助者を含めた口腔衛生指導を実施し、PCRは100%から66%になった。
なお、本報告の発表について患者本人から文章による同意を得ている。
【考察】
本症例では、Parkinson病に伴う手指巧緻性の低下に加え、網膜色素変性症による視覚障害を有しており、義歯の着脱が困難となることが予測された。そのため、義歯設計においてハンドルを付与することで操作性の向上を図るとともに、口腔衛生管理においては電動歯ブラシの使用および介助者による清掃を導入した。これらの結果、主訴であった歯痛および咀嚼困難の改善が得られ、咬合力および咀嚼能力の向上にも寄与したものと考えられた。
(COI開示:なし 倫理審査対象外)
Parkinson病と網膜色素変性症(全盲)の両疾患を併存する患者に対して補綴治療を行った報告は少ない。本症例では、Parkinson病に伴う手指巧緻性の低下に加え、網膜色素変性症による視覚障害を有しており、義歯の着脱や口腔衛生管理に困難が伴うことが予測された。これらの点に配慮し、補綴治療ならびに口腔衛生指導を行った結果、補綴治療前後で咬合力および咀嚼能力の改善やPCRの改善が認められた症例を経験したため報告する。
【症例および経過】
83歳女性。「歯が痛く食事が摂れない」を主訴に当院口腔外科から紹介され当科受診。既往歴は、Parkinson病(Yahr3)と網膜色素変性症(全盲)、盲腸であった。診察より、#13 44 43 42 41 31 32 に6mm以上の歯周ポケットを認め、パノラマX線写真においても重度骨吸収を認めた。また、#46 34 36 37の根尖部に透過像を認めた。以上より、#13 44 43 42 41 31 32を重度歯周炎、♯46 34 36 37根尖性歯周炎で予後不良歯と診断。予後不良歯の抜去後に、上下部分床義歯を製作した。初めての義歯装着であり、Parkinson病による手指巧緻性低下および全盲であることを考慮し、義歯の着脱操作性向上を目的として上下顎部分床義歯にハンドルを付与した。数回の義歯調整を行い、義歯の適合および咬合状態が安定したことを確認した後、メンテナンスへ移行した。その結果、咬合力・咀嚼能力の向上が認められた。また、歯科衛生士にTBIを指示し、電動歯ブラシの使用の指導および介助者を含めた口腔衛生指導を実施し、PCRは100%から66%になった。
なお、本報告の発表について患者本人から文章による同意を得ている。
【考察】
本症例では、Parkinson病に伴う手指巧緻性の低下に加え、網膜色素変性症による視覚障害を有しており、義歯の着脱が困難となることが予測された。そのため、義歯設計においてハンドルを付与することで操作性の向上を図るとともに、口腔衛生管理においては電動歯ブラシの使用および介助者による清掃を導入した。これらの結果、主訴であった歯痛および咀嚼困難の改善が得られ、咬合力および咀嚼能力の向上にも寄与したものと考えられた。
(COI開示:なし 倫理審査対象外)
