講演情報
[認定P-42]歯科受診が13年途絶えていた視覚障害を有する要支援高齢者に義歯製作を行い口腔機能の改善を試みた症例
○工藤 桃子1、縄稚 久美子2 (1. 医)いなだ歯科クリニック、2. 岡山大学病院 歯科・口腔インプラント科部門)
【緒言・目的】
口腔機能を維持し食生活を円滑にすることは要介護高齢者の在宅療養を支える上で重要である。今回,13年間歯科受診が途絶えていた視覚障害を有する要支援高齢者に対し,歯科訪問診療で定期的な口腔機能管理を計画した結果,義歯装着を契機として口腔機能の改善を認めた症例を経験したので報告する。
【症例および経過】
患者は69歳女性。#21の補綴物脱離を主訴に家族から依頼があり歯科訪問診療を開始した。欠損部位は#22~25,27,#36,37,#46,47。嘔吐反射と本人の不安,前医の判断により義歯は未装着のまま13年経過していた。既往歴は網膜色素変性症によりほぼ全盲であり,脂質異常症の内服治療を受けていた。介護度は要支援2,独居であった。
初診時,主訴の#21は二次う蝕のため前装冠再装着は困難であり再製作予定とした。口腔機能低下を認めたため併せて口腔機能訓練を指導した。嘔吐反射と視力低下により着脱が困難と考えられていた#22~25の義歯製作については信頼関係が構築された後で計画した。嘔吐反射は義歯装着後約1週間で消失し,残存視力により自分で義歯の着脱も可能であった。#46,47の片側遊離端義歯を製作し上下義歯を装着して2か月後違和感なく食事が可能となった。口腔機能は初診に比較して口腔乾燥(ムーカス)27.1→31.5,ODK(パ)5.4→5.8(タ)5.2→5.8(カ)5.2→5.4,舌圧35.7→37.7kPa,咀嚼機能57→257mg/dLと著明な改善を認めた。その後7か月間定期的な歯科訪問診療を継続しながら口腔機能を維持し,口腔内細菌数(細菌カウンター)は1.09×107→7.78×106と減少した。なお,本報告の発表について患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
本症例では視覚障害を有するために外来受診が途絶えていた患者に歯科訪問診療という形で寄り添うことができた。結果的に患者は自分で義歯を扱うことが可能となり,口腔機能のリハビリテーションにも積極的に取り組んだため,口腔機能全般の向上が確認された。(COI開示なし)(倫理審査対象外)
口腔機能を維持し食生活を円滑にすることは要介護高齢者の在宅療養を支える上で重要である。今回,13年間歯科受診が途絶えていた視覚障害を有する要支援高齢者に対し,歯科訪問診療で定期的な口腔機能管理を計画した結果,義歯装着を契機として口腔機能の改善を認めた症例を経験したので報告する。
【症例および経過】
患者は69歳女性。#21の補綴物脱離を主訴に家族から依頼があり歯科訪問診療を開始した。欠損部位は#22~25,27,#36,37,#46,47。嘔吐反射と本人の不安,前医の判断により義歯は未装着のまま13年経過していた。既往歴は網膜色素変性症によりほぼ全盲であり,脂質異常症の内服治療を受けていた。介護度は要支援2,独居であった。
初診時,主訴の#21は二次う蝕のため前装冠再装着は困難であり再製作予定とした。口腔機能低下を認めたため併せて口腔機能訓練を指導した。嘔吐反射と視力低下により着脱が困難と考えられていた#22~25の義歯製作については信頼関係が構築された後で計画した。嘔吐反射は義歯装着後約1週間で消失し,残存視力により自分で義歯の着脱も可能であった。#46,47の片側遊離端義歯を製作し上下義歯を装着して2か月後違和感なく食事が可能となった。口腔機能は初診に比較して口腔乾燥(ムーカス)27.1→31.5,ODK(パ)5.4→5.8(タ)5.2→5.8(カ)5.2→5.4,舌圧35.7→37.7kPa,咀嚼機能57→257mg/dLと著明な改善を認めた。その後7か月間定期的な歯科訪問診療を継続しながら口腔機能を維持し,口腔内細菌数(細菌カウンター)は1.09×107→7.78×106と減少した。なお,本報告の発表について患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
本症例では視覚障害を有するために外来受診が途絶えていた患者に歯科訪問診療という形で寄り添うことができた。結果的に患者は自分で義歯を扱うことが可能となり,口腔機能のリハビリテーションにも積極的に取り組んだため,口腔機能全般の向上が確認された。(COI開示なし)(倫理審査対象外)
