講演情報
[摂食更新P-04]〇〇県・△△市における多職種および市民を対象とした口腔ケア・食支援に関する啓発・教育活動報告
○加地 彰人1 (1. 医療法人あき歯科医院)
【目的】地域包括ケアシステムの深化に伴い,摂食嚥下障害やフレイル対策における医科歯科連携および多職種協働の重要性は増している。また,持続可能な地域医療の実現には,次世代の歯科医療従事者の育成も急務である。本報告では,過去5年間にわたり〇〇県・△△市において演者が実施してきた地域医療従事者,介護従事者,市民と学生を対象とした摂食嚥下リハビリテーションと食支援に関する教育・啓発活動について報告する。【方法】2021年から2024年にかけて,以下の3つのカテゴリーで啓発活動を実施した。 1)地域医療・介護従事者向け研修:歯科医師会,歯科衛生士会のみならず,栄養士会,認知症ケア専門士会,県耳鼻咽喉科医会,製薬会社主催のセミナーにおいて講師を務めた。 2)地域住民・施設向け啓発:市主催の介護予防教室や,介護施設職員および利用者家族を対象とした口腔ケア・食支援セミナーを実施した。 3)学生教育:2022年(令和4年)より県内歯科衛生士学校の非常勤講師として,高齢者歯科学で歯科訪問診療,摂食嚥下リハビリテーション等に関する講義を担当している。【結果と考察】地域医療・介護従事者向け研修では,県耳鼻咽喉科医会と歯科医師会主催の「連携摂食嚥下研修会」をはじめ,栄養士や認知症ケア専門士など多岐にわたる職種に対し,専門性を活かした食支援の実際や連携のポイントを共有した。その結果,研修会後の多職種間での相互紹介件数が前年度比で増加するなど,実効的な連携体制の構築に寄与したと考える。また,2021年と2024年の製薬会社主催セミナーや,各職能団体での講演を通じて,地域全体の摂食嚥下支援レベルの底上げを図った。市民および施設向け活動では,フレイルや口腔機能低下症の予防,生活環境に合わせた口腔ケアの実践法を指導し,早期発見・早期対応の重要性を啓発した。 受講者のいる施設では口腔ケアへの取り組みが改善され,職員の意識向上と入所者の口腔衛生状態の改善が認められた。学生教育においては,臨床現場での実体験を交えた講義を行うことで,将来の地域医療を担う歯科衛生士の高齢者歯科領域への興味を喚起し,地域医療を支える人材としてのキャリア選択を後押しするべく実践的能力の育成に努めている。 今後もこれらの活動を継続し,地域における切れ目のない食支援体制の確立と人材育成に貢献していきたい。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)
