講演情報
[摂食更新P-08]地域における食支援と多職種連携の取り組み
○齋藤 貴之1,2 (1. たのしみ歯科、2. 東京歯科大学口腔健康科学講座 摂食嚥下リハビリテーション研究室)
【目的】
東京都板橋区において、摂食嚥下障害を有する患者が病院から在宅へ円滑に移行し、最期まで口から食べることを支える地域医療体制の構築を目的として行ってきた取り組みについて報告する。
【方法】
当院は「ごはんが楽しみな毎日を、あなたと。」という理念のもと、単なる機能回復にとどまらず、患者一人ひとりの生活背景や価値観に寄り添い、「食べる」ことを軸に生活を支える歯科医療の実践と後進への臨床指導を行っている。また歯学部学生や衛生士校の学生実習も行い、実習後は「卒業後は歯科訪問診療に取り組んでみたい」という心境の変化がみられた。隣接する板橋区医師会病院と連携し、令和R7年11月の開院後より令和8年1月の3ヵ月間に約20名の入院患者に対して病棟歯科診療を実施した。そのうち嚥下内視鏡検査等による摂食嚥下評価および口腔機能管理を行った5名のうち、その結果を医師、看護師、管理栄養士、リハビリスタッフと共有したことによって全員の食形態があがった。退院後の生活を見据え、食形態や支援方針を多職種で協議したうえで在宅復帰を支援した。退院後は訪問歯科診療へ移行し、在宅環境に応じた摂食嚥下機能療法や食支援を継続した。さらに、これらの取り組みを地域に広げるため、板橋区歯科医師会において在宅医療勉強会の運営に携わり、多職種参加型の症例検討で症例を共有し、臨床的助言を通じた指導を行った。勉強会は3か月に一度、定期開催を行い毎回20~30名の専門職(半数は介護職)が参加し、歯科と多職種が定期的に意見交換できる場所として機能している。
【結果と考察】
病棟歯科診療から在宅歯科診療まで継続的に関与することで、退院後も食事形態の維持や摂食状況の改善が得られる症例を経験した。入院中から「どこで、誰と、何を食べたいか」という生活視点を多職種で共有することが、在宅移行後の支援を円滑にし、患者の安心感や食への意欲向上につながったと考えられる。また、地域の専門職を対象とした勉強会を通じ、摂食嚥下障害への理解が深まり、地域全体で食支援を支える意識の醸成に寄与した。今後も摂食嚥下機能療法専門歯科医師として、「食べる楽しみ」を軸に多職種と地域をつなぎ、最期まで口から食べることを支える温かな地域づくりに努めていきたい。
(COI 開示:なし)
(倫理審査対象外)
東京都板橋区において、摂食嚥下障害を有する患者が病院から在宅へ円滑に移行し、最期まで口から食べることを支える地域医療体制の構築を目的として行ってきた取り組みについて報告する。
【方法】
当院は「ごはんが楽しみな毎日を、あなたと。」という理念のもと、単なる機能回復にとどまらず、患者一人ひとりの生活背景や価値観に寄り添い、「食べる」ことを軸に生活を支える歯科医療の実践と後進への臨床指導を行っている。また歯学部学生や衛生士校の学生実習も行い、実習後は「卒業後は歯科訪問診療に取り組んでみたい」という心境の変化がみられた。隣接する板橋区医師会病院と連携し、令和R7年11月の開院後より令和8年1月の3ヵ月間に約20名の入院患者に対して病棟歯科診療を実施した。そのうち嚥下内視鏡検査等による摂食嚥下評価および口腔機能管理を行った5名のうち、その結果を医師、看護師、管理栄養士、リハビリスタッフと共有したことによって全員の食形態があがった。退院後の生活を見据え、食形態や支援方針を多職種で協議したうえで在宅復帰を支援した。退院後は訪問歯科診療へ移行し、在宅環境に応じた摂食嚥下機能療法や食支援を継続した。さらに、これらの取り組みを地域に広げるため、板橋区歯科医師会において在宅医療勉強会の運営に携わり、多職種参加型の症例検討で症例を共有し、臨床的助言を通じた指導を行った。勉強会は3か月に一度、定期開催を行い毎回20~30名の専門職(半数は介護職)が参加し、歯科と多職種が定期的に意見交換できる場所として機能している。
【結果と考察】
病棟歯科診療から在宅歯科診療まで継続的に関与することで、退院後も食事形態の維持や摂食状況の改善が得られる症例を経験した。入院中から「どこで、誰と、何を食べたいか」という生活視点を多職種で共有することが、在宅移行後の支援を円滑にし、患者の安心感や食への意欲向上につながったと考えられる。また、地域の専門職を対象とした勉強会を通じ、摂食嚥下障害への理解が深まり、地域全体で食支援を支える意識の醸成に寄与した。今後も摂食嚥下機能療法専門歯科医師として、「食べる楽しみ」を軸に多職種と地域をつなぎ、最期まで口から食べることを支える温かな地域づくりに努めていきたい。
(COI 開示:なし)
(倫理審査対象外)
