講演情報
[摂食更新P-09]病院と在宅のギャップを埋める地域一体型嚥下リハの実践 ~武蔵村山地域における当院の20年の歩みと現状~
○元橋 靖友1 (1. 社会医療法人財団大和会 武蔵村山病院 歯科)
【目的】
病院リハは多職種連携や客観的評価による安全性に優れるが,生活場面への応用が難しく「病院でできても家でできない」課題がある。対して在宅リハは実生活環境で訓練できる一方,リスク管理や客観的評価に限界がある。両者のギャップを埋める存在が不可欠である。本報告では当院が実践している,病院の「評価機能」と在宅の「生活適応力」を統合し地域一体となって食を支える嚥下リハの取り組みを報告する。
【方法】
多摩立川保健所圏域の支援事業で養成された評価医を中心に,武蔵村山地域での毎月の症例検討会や実習を実施。多職種連携による地域一体型の訪問嚥下リハ体制を構築した。
【結果と考察】
本取り組みの基盤は,2006年開始の多摩立川保健所「食べ方上手サポート事業」にある。2008年の協議会設置を経て在宅VE体制の欠如に対し評価医養成と事務局を介した訪問システムが保健所主導で構築された。この先進的な枠組みを背景に武蔵村山地域で月1回の継続的な研鑽の場を設けVE実習や事例検討を重ねてきた。コロナ禍を機に病院の強みである「定量的・安全な評価」と在宅の「生活環境に即したリハ」の融合を図る地域一体の嚥下リハの実践へと発展させた。2025年4月〜12月の実績では,回復期リハを自宅退院して嚥下障害が残存したため訪問嚥下リハが有効と判断した11名のうち8名に訪問を実施した。3名は訪問前に状態変化等で外来移行や施設入所となったが,これも地域連携による適切なケアへの接続といえる。訪問は当院と地域歯科診療所が協働した。訪問実施8例中6例が地域歯科診療所へ移行し2例が支援を終了した。このプロセスから見えてきたのは,病院リハの限界と在宅リハの困難性を補完し合う重要性である。病院でのリハは姿勢や環境が整った「理想的条件」に強い反面,退院後の実生活への応用力が課題となる。一方,在宅は「生活場面」に直結する強みがあるが,医療的リスク管理や客観的評価の維持が難しい。本取り組みの成果は,単なる検査提供に留まらず病院と地域が連携し生活環境という動的な変数を含めた評価と調整を可能にした点にある。両者の機能をシームレスに繋ぐ「地域一体型リハ」こそが,患者の「食」を支える持続可能なモデルと考察される。今後はさらに精緻化し,より多くの在宅患者のQOL向上に寄与することが課題である。
(COI 開示:なし)
(倫理審査対象外)
病院リハは多職種連携や客観的評価による安全性に優れるが,生活場面への応用が難しく「病院でできても家でできない」課題がある。対して在宅リハは実生活環境で訓練できる一方,リスク管理や客観的評価に限界がある。両者のギャップを埋める存在が不可欠である。本報告では当院が実践している,病院の「評価機能」と在宅の「生活適応力」を統合し地域一体となって食を支える嚥下リハの取り組みを報告する。
【方法】
多摩立川保健所圏域の支援事業で養成された評価医を中心に,武蔵村山地域での毎月の症例検討会や実習を実施。多職種連携による地域一体型の訪問嚥下リハ体制を構築した。
【結果と考察】
本取り組みの基盤は,2006年開始の多摩立川保健所「食べ方上手サポート事業」にある。2008年の協議会設置を経て在宅VE体制の欠如に対し評価医養成と事務局を介した訪問システムが保健所主導で構築された。この先進的な枠組みを背景に武蔵村山地域で月1回の継続的な研鑽の場を設けVE実習や事例検討を重ねてきた。コロナ禍を機に病院の強みである「定量的・安全な評価」と在宅の「生活環境に即したリハ」の融合を図る地域一体の嚥下リハの実践へと発展させた。2025年4月〜12月の実績では,回復期リハを自宅退院して嚥下障害が残存したため訪問嚥下リハが有効と判断した11名のうち8名に訪問を実施した。3名は訪問前に状態変化等で外来移行や施設入所となったが,これも地域連携による適切なケアへの接続といえる。訪問は当院と地域歯科診療所が協働した。訪問実施8例中6例が地域歯科診療所へ移行し2例が支援を終了した。このプロセスから見えてきたのは,病院リハの限界と在宅リハの困難性を補完し合う重要性である。病院でのリハは姿勢や環境が整った「理想的条件」に強い反面,退院後の実生活への応用力が課題となる。一方,在宅は「生活場面」に直結する強みがあるが,医療的リスク管理や客観的評価の維持が難しい。本取り組みの成果は,単なる検査提供に留まらず病院と地域が連携し生活環境という動的な変数を含めた評価と調整を可能にした点にある。両者の機能をシームレスに繋ぐ「地域一体型リハ」こそが,患者の「食」を支える持続可能なモデルと考察される。今後はさらに精緻化し,より多くの在宅患者のQOL向上に寄与することが課題である。
(COI 開示:なし)
(倫理審査対象外)
