講演情報

[摂食更新P-10]低舌圧と基本チェックリストにおける抑うつ気分との関連性

○吉川 峰加1 (1. 広島大学大学院医系科学研究科先端歯科補綴学)
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★〔研究〕・〔調査〕の発表
【目的】
 低舌圧は口腔機能低下の診断に用いられる。口腔機能低下の病態生理は,加齢に伴う口腔機能障害とも関連していると考えられている。一方,高齢者のうつ病は社会的にも医療介護的にも大きな問題のひとつであり,このうつ病は全身機能のうち「握力」との関連性が報告されている。
 そこで本研究の目的は,最大舌圧の測定結果と,地域在住高齢者の精神的・身体的機能低下をチェックするために用いられる基本チェックリスト(KCL)の回答とを比較し,その関連性を明らかにすることとした。
【方法】
 積極的な歯科治療が終了し,歯周病メンテナンスや義歯等補綴装置の定期健診期間中であり,体調の安定している地域在住の自立高齢者49名(男性23名、女性26名、年齢中央値79歳)の協力を得た.協力者には,フレイル状態,認知機能,栄養状態,サルコペニア状態に関する質問を含むKCLへ回答してもらった.口腔に関しては口腔機能低下症に関する評価を実施した.舌圧の違いとフレイル状態,認知機能,栄養状態およびサルコペニア状態との関連性を確認ののち,年齢と性別を調整した上でロジスティック回帰分析を用いて解析した。
【結果と考察】
 協力者49名のうち9名(男性6名,女性3名,年齢中央値81歳)の舌圧が23.0kPa未満であり,これは70歳以上の患者における最大舌圧の標準値の下限値であった。ロジスティック回帰分析の結果,日常生活における充実感の欠如に関連する質問21のみが,舌圧の低下と有意に関連していた(p = .027)。高齢者における舌圧の低下は,社会心理学的要因と関連している可能性が示された。

(COI 開示:なし)
(広島大学 倫理審査委員会承認番号 E-576)
Yoshikawa M, Nishikawa Y, Kitagawa M, Nagao A, Hiraoka A, Haruta A, Takeuchi M, Yoshida M, Tsuga K.: Low tongue pressure and depression using Kihon Checklist for assessing frailty status among community-dwelling Japanese older adults: A pilot study, J Oral Rehabil, 51: 334-342, 2024.