講演情報

[摂食更新P-21]地域に根ざした嚥下機能低下予防の取り組み
民間ボランティアセンターと歯科外来栄養相談の連携実践報告

○小林 健一郎1 (1. こばやし歯科クリニック)
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【目的】
 摂食嚥下障害の予防には,口腔機能の維持に加え,フレイル予防や適切な栄養支援が不可欠である。演者は歯科診療所に加え地域の民間ボランティアセンターを運営し,オーラルフレイル検診や嚥下機能評価,健口体操などの啓発活動を行ってきた。2017年から管理栄養士が勤務し2020年に「認定栄養ケア・ステーション」を設立,栄養相談体制を整備し摂食嚥下支援との連携を進めている。本報告では地域実践と臨床的取り組みの実態を報告する。
【方法】
 2014年より「暮らしの保健室かなで」を開設し,医療職と住民の交流の場を創出。2015年より町内会と協力し,オーラルフレイル検診(体組成,握力,骨密度,口腔機能精密検査等)を計10回実施した。検査結果に基づくフォローアップ講座を5回行い,延べ539人が参加した。歯科では2017年5月より「のみこみ外来」を設置し,2025年12月までに延べ246人に外来診療を実施。嚥下造影検査(VF)では管理栄養士が必要に応じて,バリウム入りパンケーキ・うどん・おかゆなどを準備し,食習慣に応じた検査を行った。さらに2022年1月から 2023年12月に外来栄養相談を受けた86名を後方視的に分析し,依頼内容と栄養課題,相談内容を調査した。また2022年12月から2025年12月に訪問栄養食事指導を受けた18名について内科主治医からの依頼項目を調査した。
【結果と考察】
 地域では「話せる場」としてのコミュニティを軸に,医療専門職が早期介入することでプレフレイル段階からの対応が可能となっている。歯科とのみこみ外来の併設により生活に即したVF評価が可能となり,管理栄養士の関与で検査から支援への移行も円滑になった。外来栄養相談の依頼は「噛めない」が最多(19件)で,栄養課題は「たんぱく質・エネルギー摂取量不足」(26%)が最多。相談内容は「生活習慣病・歯周病予防」(25%),「体重減少・低栄養への対応」「フレイル予防」(各22%)であった。訪問では「低栄養状態の改善」(46%),「嚥下困難な方の食事」(28%)が多く,外来・訪問ともに摂食嚥下機能低下予防と低栄養対策が重要なテーマとなっていることが示唆された。管理栄養士との連携により多面的支援を実現しており,今後は多職種連携の強化が求められる。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)